2011 Fiscal Year Annual Research Report
三次元離散渦法を適用した斜航船体に作用する流体力推定法の開発に関する研究
Project/Area Number |
21560833
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
古川 芳孝 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (90253492)
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Keywords | 船体流体力 / 三次元離散渦法 / 渦モデル / 大斜航角 / 高レイノルズ数流れ |
Research Abstract |
三次元離散渦法に基づく流場の推定においては,物体から流出する渦要素の導入方法が推定精度に大きな影響を与える。昨年度までに船体から流出する渦要素を渦blobによって表現するモデルを用いて斜航船体まわりの流れ場の計算を行い,船体に作用する流体力を推定した結果,斜航角の変化に対する定性的な傾向は捉えることができたものの,定量的には実験値と差が生じる結果となった。 そこで,渦要素の導入方法が計算結果に及ぼす影響をより明確に把握することを目的として,昨年度に引き続き三次元翼型周りの流れ場を解析対象として,渦モデルの検討を行った。渦モデルとしては,境界層内の渦度分布を渦シートで表現し,渦シートが境界層内よりも高い位置に移動した時点で渦blobに変換する手法(Hybrid Vortex Method)を適用した。また,翼端まわりの渦シートの移動方法についても併せて検討を行い,渦シートの動きをより現実的に表現できるようにモデル化を行った。 渦層高さや渦blobの初期半径,渦シートの最大循環等の計算パラメータを変化させながら流体力の計算を行った結果,渦層高さの設定が流体力の推定結果に及ぼす影響が大きいことが分かった。すなわち,Hybrid Vortex Methodでは物体表面に垂直な方向の渦シートの移動は乱数に基づいて決定されるため,渦層高さが同じであれば,物体表面の接線方向の流速の大小に関わらず,物体表面からの渦の剥離(渦シートから渦blobへの変換)は渦層高さのみに支配されることになる。従って,迎角によって変化する渦の剥離を表現するために,迎角に基づいて渦層高さを変化させるモデルを設定した結果,流体力を定性的かつ定量的に推定可能であることを確認した。
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Research Products
(3 results)