2010 Fiscal Year Annual Research Report
ハイブリッド型洋上エネルギー開発システムに関する研究
Project/Area Number |
21560837
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
砂原 俊之 東海大学, 海洋学部, 准教授 (40276788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺尾 裕 東海大学, 海洋学部, 教授 (10138638)
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Keywords | 浮体式洋上風力発電 / 沿岸域発電システム / 波浪推進装置 / 波浪中動揺低減 |
Research Abstract |
本研究では沿岸域で設置可能な中規模の風力発電システムを提案する。これは浮体式洋上風力発電システムに波浪推進装置を組み合わせたハイブリッド型洋上風力発電船であり、波による漂流、動揺を抑え、係留系にかかるコストを軽減することをその特徴とするものである。昨年度までに、まず全長50mの双胴船型のプラットフォームに600kW級風車を搭載した想定実機の概念設計を行うと共に実験模型を用いた波浪中動揺実験を行い、基本的な波浪中動揺特性を確認した。本年度は、提案する風力発電システムの実現可能性を検証するために、引き続き模型実験を行い、波浪推進装置の翼弦長、機構部のばね定数等を変化させ、本システムの波浪中動揺低減効果及び漂流力低減効果を明らかにした。模型実験の結果、水中翼の条件にかかわらず、漂流力に打ち勝って船体を前進させようとする推力が幅広い波周期で働くことが分かった。推進力は可動翼のばね定数によって大きく変化しており、翼弦長に対して適切なばね定数が存在することが分かった。また固定翼の場合でも小さいながら幅広い周期で推進力が生じる。また、水中翼の存在によりピッチ運動が大きく軽減されることが分かった.特に翼弦長が大きい場合や、ばね定数が大きい場合、特に固定翼の場合はピッチ運動の抑制効果が高いことが分かった。翼弦長の違いについては、翼弦長が大きくなるにつれて、推力が最大となるピーク周期が長周期側に移動すると共に、幅広い周期で水中翼の効果が得られることが分かった。これらのことより、設置海域に合わせた水中翼の弦長、ばね定数の選択が重要であること、また固定翼でも漂流力低減効果及びピッチ動揺低減効果が得られており、本システムの構造を簡略化できる可能性が確認できた。
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