2011 Fiscal Year Annual Research Report
ハイブリッド型洋上エネルギー開発システムに関する研究
Project/Area Number |
21560837
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
砂原 俊之 東海大学, 海洋学部, 准教授 (40276788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺尾 裕 東海大学, 海洋学部, 教授 (10138638)
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Keywords | 浮体式洋上風力発電 / 沿岸域発電システム / 波浪推進 / 波浪中動揺低減 / 波漂流力低減 |
Research Abstract |
本研究では沿岸域で設置可能な中規模の風力発電システムを提案する。これは浮体式洋上風力発電システムに波浪推進装置を組み合わせたハイブリッド型洋上風力発電船であり、波による漂流、動揺を抑え、係留系にかかるコストを軽減することをその特徴とするものである。 昨年度までに、まず全長50mの双胴船型めプラットフォームに600kW級風車を搭載した想定実機の概念設計を行い、次に実験模型を用いた波浪中動揺実験を行い、基本的な波浪中動揺特性を確認した。 洋上では様々な方向から風、波、潮流が進行してくるが、本システムの一点係留方式の利点を活かすには、特に波上側に自ら回頭してロール動揺の影響を大幅に軽減すると共に、波浪推進システムにより積極的に係留索張力を低減する必要がある。そこで本年度は、プラットフォーム模型を用いて、風車部に働く風荷重も考慮した波浪中の回頭性能評価実験を行づた。 模型実験の結果、ハイブリッド発電船模型の船体運動が一点係留により一部拘束されている場合でも、水中翼の存在による係留力の低減効果とピッチ運動の減揺効果に大きな違いが無いことが分かった。また、可動翼と固定翼を比較した場合、可動翼は係留力(定常成分)の低減効果に優れており、固定翼はピッチ運動の減揺効果及び係留力(1次強制力成分)の低減効果に優れていることが分かった。ハイブリッド発電船模型に波と風が斜めに当たる状態からの振れ回りの様子を計測した結果、いずれも風下、波下側に振れ回った後、一定の角度でヨー運動が収束し、調べた範囲では一点係留方式に特に大きな問題は見られなかった。また、風と波の共存場で、係留力(定常成分)が負の値を取る場合、振れ回りの角度がやや大きくなる傾向が見られ、そのことによってロール振幅が若干大きくなった。このことより、一点係留の方法に合わせて水中翼による係留力低減効果を調整する必要があることが分かった。
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