2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560861
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
洲鎌 英雄 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 教授 (80202125)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岸 統 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 助教 (20413990)
渡邉 智彦 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 教授 (30260053)
佐竹 真介 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 准教授 (70390630)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ジャイロ流体クロージャーモデル / ジャイロ運動論 / ゾーナルフロー |
Research Abstract |
ゾーナルフローに対する運動論的流体クロージャーモデルが、残留ゾーナルフローに対する磁場配位や初期フローの効果について、ジャイロ運動論による予測結果を再現することを検証し、このクロージャーモデルを取り入れて、トロイダル・イオン温度勾配不安定性(ITGモード)による乱流輸送フラックスを計算するためのジャイロ流体シミュレーションコードの開発に着手した。先ず、ジャイロ流体コードによるITGモードの線形時間発展シミュレーションを実行し、線形ITGモードの周波数・成長率のポロイダル波数依存性や固有関数の空間分布構造を求め、それらを線形ジャイロ運動論的シミュレーションの結果と比較することにより、妥当なが結果が得られることを確認した。 ヘリカル系プラズマ(LHD)における標準配位およびプラズマ内寄せ配位に対するITG乱流のジャイロ運動論的シミュレーションから得られた乱流揺動のデータに対して、エントロピー・スペクトル解析を行った。内寄せ配位においてより顕著なゾーナルフローによる乱流輸送の抑制が、高い小半径方向波数への揺動エントロピー・スペクトルの移送により生じることを明らかにした。 ジャイロ運動論の基礎となるブラゾフ・ポアッソン・アンペール方程式系が持つエネルギー・運動量保存則を、作用積分にネーターの定理を用いることにより導出し、光速の電磁波を含むブラゾフ・マクスウェル方程式系におけるエネルギー・運動量保存則との差を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ゾーナルフローの物理機構を流体モデルにより表現するためのクロージャーモデルの有効性が検証され、そのクロージャーモデルを組み込んだジャイロ流体コードの開発が進み、イオン温度勾配(ITG)不安定性の線形計算によるジャイロ流体コードの検証がなされた。ジャイロ運動論的シミュレーションの乱流揺動データに対するエントロピー・スペクトル解析の有効性が示された。ジャイロ運動論の基礎となるブラゾフ・ポアッソン・アンペール方程式系の持つ持つエネルギー・運動量保存則に対する理解が深まった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、運動論的クロージャーモデルを組み込んだジャイロ流体コードの開発をさらに進め、イオン温度勾配(ITG)不安定性の非線形乱流シミュレーションを実行し、イオン乱流熱輸送フラックスの評価およびジャイロ運動論的乱流シミュレーションとの比較によるジャイロ流体シミュレーションの妥当性の検証を行い、また乱流輸送におけるエントロピーバランスの解析を発展させることを計画している。
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