2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560862
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
吉村 泰夫 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 准教授 (90300730)
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Keywords | プラズマ・核融合 / プラズマ加熱 / 電子バーンシュタイン波 / 大型ヘリカル装置 / 高密度プラズマ |
Research Abstract |
平成23年度は、これまでに核融合科学研究所の大型ヘリカル装置LHDの真空容器内に設置した、モード変換電子バーンシュタイン波加熱用ミラーを用いた高密度プラズマ加熱実験をさらに進展させた。平成22年度の実験では、線平均電子密度7.5~8x10^<19>m^<-3>の高密度プラズマに対して、20Hzで100%の電力変調をかけた775kWの77GHzEC波を新ミラー経由により強磁場側から入射し、プラズマ遮断密度である7.35x10^<19>m^<-3>以上のオーバーデンスプラズマにおいてもEC波電力変調に同期した顕著な蓄積エネルギーの上昇を確認した. 平成23年度は、LHDで生成されるさらに高密度のプラズマ(スーパーデンスコア:SDCプラズマ)に対してEC波の高磁場側入射を行った。12.5MWのNBIで加熱したプラズマに水素ペレットを複数入射しSDCプラズマを生成し、その後4MWのNBIで維持しターゲットプラズマとした。ターゲットプラズマに875kW、200msのEC波を高磁場側から入射することにより、プラズマ蓄積エネルギーの上昇とともにプラズマ中心部での電子温度上昇を実現した。EC波入射時のプラズマ中心部の電子密度は24x10^<19>m^<-3>であり、用いている77GHzEC波の左回り遮断密度14.7x10^<19>m^<-3>の1.6倍、プラズマ遮断密度の3.2倍の高密度プラズマであることから電磁波モードのEC波はプラズマ中心部へは到達できない。したがってこの中心部の電子温度上昇は、入射された電磁波からモード変換された電子バーンシュタイン波によるものと結論できる。以上から、本研究で目的とした高磁場側入射EC波からモード変換された電子バーンシュタイン波による遮断密度以上の高密度プラズマ加熱を実現したと言え、想定されている将来の高密度プラズマ核融合におけるEC波加熱の有用性を大きく高めた。
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Research Products
(7 results)