2009 Fiscal Year Annual Research Report
密封シート線源を用いたホールボディカウンタ校正法の開発
Project/Area Number |
21560870
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石榑 信人 Nagoya University, 医学部, 教授 (70159713)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
緒方 良至 名古屋大学, 医学部, 助教 (70185502)
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Keywords | 放射線防護 / 体外計測装置 / 内部被ばく評価 / ファントム / 放射性同位元素 |
Research Abstract |
本研究では、密封シート線源を用いたホールボディカウンタ校正用ファントムを開発する。これは、ランドファントム等の各スライス間に薄い密封シート線源をサンドウィッチしたものである。このファントムには従来の樹脂容器ファントムとは異なり、(イ)人体の実際の形状により近い、(ロ)漏洩による検出器や環境を汚染する心配がない、(ハ)体内分布を再現できる、(ニ)種々の核種に対応可能である、などの長所がある。 平成21年度までに、このようなファントムに用いるため、人体横断面と同程度の面積を有する密封シート線源の作製を検討してきた。結果を要約すれば次のようになる。 X線CTによる物理ファントムの胴体の横断面画像について、Photoshopのカラー濃度を所定の放射能面密度に対応させ、インクジェットプリンタにより線源水溶液を用紙に印刷することにより、複雑なパターンのシート線源が安全に作製できることが示された。また、この用紙はラミネート加工により、完全に密封できることが確認された。 密封シート線源を物理ファントムのスライス間にサンドウィッチした場合、線源の配置はファントム内で離散的となる。試験的に作製した密封シート線源を実際にランドファントムのスライス間に挟み、ファントム外に透過するγ線をイメージングプレートで検出し、ピクセル値のプロファイルを解析したところ、ファントム外部でのγ線の強度空間分布に規則的なゆらぎは観察されず、シート線源は、体積線源を十分良好に模擬していることが示された。
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