2010 Fiscal Year Annual Research Report
放射光イメージング技術による原子力燃料材料の元素分布及び挙動解析
Project/Area Number |
21560877
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
岡本 芳浩 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究主幹 (70370369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢板 毅 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究主幹 (40370481)
塩飽 秀啓 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (10222043)
鈴木 伸一 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (60354841)
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Keywords | イメージング / 放射光 / 元素分析 / 核燃料 / 再処理 |
Research Abstract |
放射光イメージング測定から位置分解能を有するマイクロXAFS分析の可能性を追求した。良質なイメージング画像の取得条件の探索や取得したグレースケール画像の解析技術の開発を行い、イメージングXAFSが実用に耐えるものであることを確認した。さらに、ウランやマイナーアクチノイド化合物などの放射性物質の取り扱いを進めることで、原子力燃料材料のイメージング分析へのめどが立った。 試験では、まず使用するX線ビームのサイズを大きくし、試料を通過した透過X線画像をCCDカメラで取得する測定を実施した。良質な透過X線画像を取得するための、最適な測定条件を把握することができた。逆に、画像中のエネルギー分布の把握など、分析において留意する点などが明らかになった。次に、得られた透過X線画像をグレースケール解析し、その濃淡を数値化してX線強度とした。この測定をX線のエネルギーを走査しながら行い、2次元に拡張されたX線吸収スペクトル(XAFS)を取得した。これにより、試料中の特定元素の分布を知ると同時に、任意の微小領域での化学状態を知ることが可能になった。 イメージング分析技術の開発を進めると同時に、試験対象試料をウラン酸化物から、ネプツニウム酸化物とアメリシウム酸化物へと拡張した。これらのマイナーアクチノイド酸化物は微量ではあったが、ネプツニウムとアメリシウムの双方で、得られたイメージングXAFSスペクトルは、該当する酸化物の標準データとよく一致していた。本研究で開発したイメージング測定システムは、微量の核燃料やマイナーアクチノイド化合物の元素分布や化学状態の分析に、十分利用可能であることが確認された。
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