2010 Fiscal Year Annual Research Report
亜寒帯針葉樹林における撹乱体制と樹種共存メカニズムの解明
Project/Area Number |
21570027
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
西村 尚之 群馬大学, 社会情報学部, 教授 (10387904)
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Keywords | 長期動態研究 / 亜寒帯原生林 / 全天写真 / 新規加入率 / 林冠動態 / 自然撹乱 / 成長動態 / 個体群動態 |
Research Abstract |
本研究課題はわが国の亜寒帯林(北方針葉樹林と亜高山帯針葉樹林)における撹乱体制と樹種共存メカニズムの解明するために優占樹種の動態と更新環境との関係について定量的把握を目的として実施した.本課題における大面積長期動態モニタリング手法を用いた林冠撹乱体制に関連した森林維持メカニズムと環境変化に伴う森林の応答予測に関する研究は,今後の地球環境変動に対する森林保全的課題への重要なアプローチとなる.当該年度においては,亜高山帯針葉樹林を対象に,すでに設置された1ha調査区内において5m×5mグリッド441交点において全天写真を撮影し、等光線図の作成を行った.そのデータを使用して,林冠状態の変化に関連した光環境に対する種間における成長反応と出現パターンの違いを、ブートストラップ法などのシミュレーションを行い定量化する方法を考案した.さらに,個体群動態パラメータ、成長と出現パターンについて林床定着サイトや光環境と関連させたGLMによるモデル化の検討を行い、密度効果も含めた個体環境要因から樹木群集構造・動態を説明するモデルを構築した.本研究では,調査区内で一定の大きさの方形区を重複させてリサンプリングするmoving window techniqueにより得られたシミュレーションデータを使用した回帰モデルにより各樹種の稚樹出現パターンと林床環境との関係を解析した結果,光とマイクロサイトに対する各樹種の応答の違いを定量的に推測することができた.このモデルを応用することにより,環境変動に対する亜高山帯針葉樹林の群集レベルでの応答を定量的に示すことができるという重要な研究例になると結論された.
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[Journal Article] Simulating seasonal and inter-annual variations inenergy and carbon exchanges and forest dynamics using a process-based atmosphere-vegetation dynamics model2011
Author(s)
Toda, M., Takata, K., Nishimura, N., Yamada, M., Miki, N., Nakai, T., Kodama, Y., Uemura, S., Watanabe, T., Sumida, A., Hara, T.
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Journal Title
Ecological Research
Volume: 26
Pages: 105-121
Peer Reviewed
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