2009 Fiscal Year Annual Research Report
表面増強赤外分光法を用いた膜タンパク質構造・機能解析システムの開発
Project/Area Number |
21570165
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
園山 正史 Gunma University, 大学院・工学研究科, 教授 (40242242)
|
Keywords | 膜タンパク質 / 赤外分光 / 構造・機能解析 / 可溶化 / 界面活性剤 / 表面 / 構造安定性 / 金薄膜 |
Research Abstract |
本研究課題では、受容体を主要なターゲットとし、赤外分光法の特長を活かした分子レベルの情報が得られる、膜タンパク質構造・機能解析システムを構築することを第一の目的としている。さらに、この解析システムをGタンパク質共役型受容体(GPCR)に実際に適用し、機能場との関係から構造・機能に関する情報を得るとともに、今後の様々な受容体への応用の基盤を築くことを第二の目的としている。研究計画の初年度である平成21年度は、膜タンパク質構造・機能解析システムの構築のために、まず、表面増強赤外分光法(SEIRAS)用セルの作成およびSEIRAS測定条件の検討を行った。温度制御可能なSEIRAS用セルを構築し、それを用いて、無電解メッキ法によるATR用Si結晶表面への金薄膜作成法を最適化した。構築したSEIRAS用セルにおける赤外増強効果を、有機薄膜を試料として検討した結果、十分な信号の増強を確認した。現在増強効果を定量的に評価するために、さらに実験と解析を行っている。さらに、今後の受容体膜タンパク質の金薄膜への固定化の予備実験として、末端領域にフリーなシステイン残基を有するいくつかの水溶性タンパク質を用いて、上記の通り最適化したセル中の金表面への固定を調べており、予備的な結果を得つつある。次年度以降に受容体の再構成試料を調製する際に必要な可溶化に用いる界面活性剤として、短鎖リン脂質に着目した可溶化実験をバクテリオロドプシンに対して行った。その結果、一般に用いられる界面活性剤よりも安定な可溶化を実現できることがわかった。特に、機能時の安定性が高いことが特徴で、構造が類似した他の膜タンパク質への応用が期待できると考えられる。
|
-
-
[Journal Article] Effect of molecular assembly on photocycle of reconstituted bacteriorhodopsin : Significant blue shift of the late M photointermediate in the liquid crystalline phase2009
Author(s)
Sonoyama, M., Kikukawa, T., Yokoyama, Y., Demura, M., Kamo, N., Mitaku, S.
-
Journal Title
Chem.Lett. 38
Pages: 1134-1135
Peer Reviewed
-
[Journal Article] Bisphenol A weakens calcium binding affinity of sites III and IV in C-terminal domain of bovine brain calmodulin2009
Author(s)
Murayama, K., Sonoyama, M., Terada, T., Yokoyama, Y., Nara, M., Tomida, M., Matsuda, S.
-
Journal Title
Chem.Lett. 38
Pages: 1062-1063
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
[Presentation] Bisphenol A weakens calcium binding affinity of calmodulin2009
Author(s)
Murayama, K., 園山正史, Terada, T., 横山泰範, Nara, M., Tomida, M., Matsuda, S.
Organizer
日本生物物理学会第47回年会
Place of Presentation
アスティー徳島(徳島県)
Year and Date
2009-10-30
-
-
-
-