2011 Fiscal Year Annual Research Report
表面増強赤外分光法を用いた膜タンパク質構造・機能解析システムの開発
Project/Area Number |
21570165
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
園山 正史 群馬大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40242242)
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Keywords | 膜タンパク / 赤外分光 / 構造・機能解析 / 再構成 / リン脂質 / 可溶 / 金薄膜 / 表面プラズモン共鳴 |
Research Abstract |
研究代表者たちは、脂質・タンパク質分子集合体である生体膜は膜タンパク質の機能場であることを強く意識し、脂質二重膜の組成・相挙動を踏まえた膜タンパク質の総合的研究を遂行している。これまでの「様々な脂質組成の膜タンパク質再構成系の構築および膜タンパク質の構造形成・機能発現における脂質・膜タンパク質相互作用の解明」に向けた研究をさらに発展させるために、本研究課題では、赤外分光法の特長を活かした分子レベルの情報が得られる、膜タンパク質構造・機能解析システムを構築することを第一の目標として研究を進めてきた。最終年度にあたる本年度は,これまで検討してきた膜タンパク質の可溶化、脂質二重膜への再構成、表面増強赤外スペクトルの測定等に関する項目の最適化をさらに進め、それらを統合することにより、本研究課題の目標である表面増強赤外分光法を用いた膜タンパク質構造・機能解析システムの構築を目指した。まず短鎖リン脂質を新たにハロロドプシンの可溶化に適応したところ,高い安定性と可溶化立を兼ね備えた可溶化を実現できることがわかった。再構成膜を調製することを目的に導入した部分フッ素化リン脂質を用いたバクテリオロドプシン再構成実験をさらに展開し,昨年度予備的な検討から明らかにした天然紫膜類似の構造・機能中間体を持つことを確認するとともに,通常の脂質に比べて著しく安定であることがわかった。さらに二成分混合膜を用いたバクテリオロドプシン分配実験から,バクテリオロドプシンは非含フッ素リン脂質に高い親和性を示すことがわかった。一方金薄膜への再構成膜固定条件の検討では,一定量の固定が示唆される結果が得られつつある。
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[Presentation] 新規部分フッ素化リン脂質1,2-Di(14,14,14,13,13,12,12,11,11-nonafluorotetradecanoil)-glycero-3-phosphorylcholine二重膜の熱物性と膜の安定性2011
Author(s)
上治瑛, 吉野賢, 高橋浩, 高木俊之, 馬場照彦, 金森敏幸, 園山正史
Organizer
第5回バイオ関連化学シンポジウム
Place of Presentation
つくば国際会議場(茨城県)
Year and Date
2011-09-13