2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21570191
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Research Institution | National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East |
Principal Investigator |
太田 力 National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East, 腫瘍ゲノム解析情報研究部, 室長 (10290892)
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Keywords | DNAチップ解析 / 細胞増殖 / 癌細胞 |
Research Abstract |
下記3つの研究を行い、課題である「新規細胞増殖経路の探索」を推進した。これら研究結果を踏まえ、平成22年度は、どのような分子がこの経路で働いているのかといった分子機構の解明を行っていく予定である。 1.Nrf2の活性化によって引き起こされる腫瘍細胞の増殖制御機構のエンドポイントの探索:恒常的にNrf2が活性化された腫瘍細胞(KEAP1遺伝子およびNRF2遺伝子に変異が見出されている肺癌由来の培養細胞)においてMRF2遺伝子特異的なsiRNAを作用させ(NRF2遺伝子の発現をノックダウンさせ)、細胞増殖阻害を誘発させ、カスパーゼ活性の変化を調べてみたが、コントロールsiRNAを作用させた場合と差がなくアポトーシス誘導は起こっていないことがわかった。 2.Nrf2蛋白質複合体の解析:これまでの研究から、細胞核内ではNrf2-sMafヘテロ複合体蛋白質が形成されていること、CBP蛋白質やATF4蛋白質等がNrf2蛋白質の活性化を助けることが知られている。最近、申請者はBRG1蛋白質も上記補助因子として働くことを見出しており、細胞核内においてNrf2蛋白質は他の多くの蛋白質と複合体を形成していることが予想される。そこで、N末端にHis6-Flag-tagを挿入したNRF2遺伝子を恒常的に発現する細胞を作成した。 3.活性型Nrf2蛋白質のリン酸化部位の探索:最近、申請者はNrf2蛋白質のリン酸化部位を探索し、約50アミノ酸の中に数か所のリン酸化部位(SerまたはThr)が存在することを突き止めた。そこで、この約50アミノ酸の領域のリン酸化可能なアミノ酸(SerまたはThr)を網羅的にAla置換し、1か所のリン酸化部位を見出した。
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