2011 Fiscal Year Annual Research Report
ドーパミンレセプター遺伝子の多型と進化に見る闘争心の起源
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21570241
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
小見山 智義 東海大学, 医学部, 准教授 (60439685)
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Keywords | 分子系統樹 / 人為淘汰 / 家畜化 / ドーパミン受容体 / DRD2 / DRD3 / DRD4 / ニワトリ |
Research Abstract |
研究計画については、平成23年度は以下の1~5項目についての研究を行った。サンプルについては、シャモ(11個体)、ナガナキドリ(9個体)、その他観賞用ニワトリ(15個体)、日本キジ(2個体)マクジャク(1個体)、シチメンチョウ(1個体)合計約39個体のサンプルを用いた。これらのサンプルの選択には本代表者のミトコンドリアゲノム解析の研究で得られた系統解析結果をもとに行うものとする。 1.これまでニワトリ(家畜化)において配捌が決定されていなかったDRD3 exon1-6(イントロンふくめ3100bp)の配列を決定した。しかし、DRD3遺伝子領域はいまだアノテーションが明確化しておらずExon領域がはっきりしていなかった。そこで今回のシークエンスについてはNCBIのデータベースを基に現アノテーションをレファレンスに配列を決定した。 2.強い人為淘汰をかけて特異な行動特性をもつに至った品種の特異的なDRD2、DRD3ならびにDRD4遺伝子多型の抽出を行った。そして、品種(育種目的の違い)ごとに特異的な遺伝子多型の抽出を行うことが出来た。 3.これらのニワトリの配列をもとに進化的調査を行った。その結果、DRD2、DRD3ならびにDRD4遺伝子の合計約8200bpにおいて、品種間の違いおよび進化的起源の違いをみることが出来た。分子系統樹を用いた進化的解析において、沖縄のシャモと共通祖先を持つニワトリから各家畜化したニワトリが作られていることが再確認された。 4.ドーパミンレセプターDRD2,3,4の配列を含めた解析を行い、ニワトリの遺伝子多型と品種問の違いは確認できたが、ドーパミン遺伝子と行動との関連性について明確にすることはできなかった。 5.得られた配列からのシミュレーションによる構造未知なタンパク質立体構造予測を行い、DRD2、DRD3ならびにDRD4のニワトリにおけるそれぞれのタンパク質立体構造予測を行うことができた。しかし、DRD3についてはアノテーションの不安定さから構築はできなかった。
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Research Products
(6 results)