2012 Fiscal Year Annual Research Report
温暖化に対応しうる無休眠性ナシ品種の育成とそれを用いた休眠の分子機構解明
Project/Area Number |
21580033
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
田村 文男 鳥取大学, 農学部, 教授 (50217197)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 温暖化 / 落葉果樹 / 低温要求 / 遺伝 |
Research Abstract |
近年自発休眠打破に必要な冬季の低温積算が満たされなくなり、春季の発芽や開花が困難になりつつある。今後温暖化が進行すれば現在のナシ産地での栽培は困難になることが明確であり、少低温要求性ナシ品種の育成が不可欠といえる。 本研究では、‘おさ二十世紀’の自殖第1代から選抜した自家和合性遺伝子のホモ接合体に横山を交配して育成したF1約200個体を育成し現在まで全く不明であった自発休眠の遺伝様式と休眠の分子機構を明らかにしようとした。 横山は,11月下旬~1月上旬までの間に自発休眠に導入しなかったのに対し TH3の萌芽率は横山に比べて低く, 1月上旬に休眠打破された.いずれの調査日ともに,F1個体が示す萌芽率は横山とTH3の萌芽率の間に広く分布した.全9回の調査日のうち8回の調査日において,F1個体の萌芽率の平均値は横山よりTH3の萌芽率に近い値を示した.そこでTH3が自発休眠の深度に関する優性遺伝子をホモでもつと仮定しχ2検定を行ったが,この仮定は棄却された.これらの結果から,低温要求量を決める遺伝要因にはQTLが存在すると考えられた。 これらの材料の遺伝子発現解析の結果、自発休眠導入期から最深期にかけて発現量が低下したNo. 19とNo. 40の2つの遺伝子は,同時期のタイワンナシにおいて発現量が増加した.この2つの遺伝子は,それぞれAuxin-responsive family proteinとE3 ubiqutin ligaseをコードする遺伝子と高い相同性を示すことが確認された.No. 15はTonoplast intrinsic protein(TIP)1,No. 205はThaumatin-like proteinをコードする遺伝子と高い相同性を示し,これらの遺伝子は最深期から打破期にかけて発現量が低下した.以上の遺伝子は、ナシの休眠の推移と深い関連があるものと思われた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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