2009 Fiscal Year Annual Research Report
Pelargonium属植物花弁における黄色発現の遺伝様式の解明
Project/Area Number |
21580036
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
柿原 文香 Ehime University, 農学部, 准教授 (80101377)
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Keywords | ペラルゴニウム属植物 / 花色素 / 花色 / カロテノイド / ルテイン / β-カロテン / 黄色 |
Research Abstract |
本研究の目的は、黄色野生種の持つ黄色色素遺伝子を、交雑法を用いて栽培品種に導入し、優良な黄色花栽培品種を育成することである。そのために、まず、1)薄黄色花野生種の自殖および野生種同士のF_1植物を作出し、これら植物個体の花色と花色素を調査し、その結果を基に黄色花色および黄色花色素の遺伝様式の解明し、次いで、2)黄色花品種育成の育種素材を作出する。供試材料はペラルゴニウム属Hoarea節に属する野生種およびそれらのF_1植物である。 本年度は、1)薄黄色花野生種の自殖およびF_1植物の作出し、2)花色・花色素(特にカロテノイド)について調査した。 得られた結果の概要は次の通りであった。 (1) 薄黄色の花色は、RHS(英国王立園芸協会)カラーチャートを用いて、人による花色の識別を行った。野生種の花色は薄い黄色および黄色、それらF_1植物の花色は白色、薄い黄色、黄色と判定できた。 (2) 生花弁の色度(花色)は色差計により測定し、L*、a*、はb*値(L*は明度、a*は赤色b*値は黄色値を示す)で表した。黄色および薄き色花弁のL*値は70-85、a*値は0.18--3.03、b*値は7.63-25.89であった。 (3) 薄き色、黄色花弁について、分光光度計で吸光度を調査した。最大吸収波長は420、450、470nmであった。 (4) 薄き色、黄色花弁について、カロテノイド色素(最大吸収波長450nm)を抽出し、液体クロマトグラフィーを用いて色素分析を行ったところ、11のピークが出現した。主要色素はルテインとβ-カロテンと同定された。殆どの野生種やF_1植物はこの2色素で50%以上を占め、90%以上を占める種もあった。
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Research Products
(3 results)