2010 Fiscal Year Annual Research Report
ブドウ台木根系の形態的可塑性に対する倍数性および環境条件の影響
Project/Area Number |
21580040
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
本杉 日野 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (10182172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鉄村 琢哉 宮崎大学, 農学部, 教授 (00227498)
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Keywords | ブドウ / 台木 / 倍数性 / ミニリゾトロン / ルートボックス / スプリットルート法 |
Research Abstract |
ブドウにおける樹勢調節台木として期待される四倍体台木の根系の形態的(新根の発生数量、分岐パターンなど)ならびに成長速度、細根の寿命などにおける土壌水分ならびに硝酸態窒素濃度変化に対する可塑性について、樹勢が強い元の二倍体台木と対比して、その特性を解明することを目的とした。定植3年目の5BBおよびその四倍体台木に接ぎ木したワインブドウ'Pinotnoir'(京都府京丹波町ワイン会社ブドウ園)ではミニリゾトロン(内径40mm長さ100cm)により、京都府精華町の京都府立大学附属農場では鉢育成した同様の台木に接ぎ木した'Pinotnoir'苗を植え付けたルートボックスにより,新根発生を観察した。新根の成長量はルートボックス栽培試験および圃場試験において四倍体で小さく、果実成熟期から収穫期にかけての成長量が大きかった。二倍体は土壌深度が増すにつれ新根の発生量が大きくなったが、四倍体では土壌20cm付近の新根の発生が果実成熟期に多くみられた。 また,四倍体台木の'Pinotnoir'は,栄養成長が抑制され,収量も低かったが果実品質が向上した。同様に5BBおよびその四倍体に接ぎ木した'巨峰'において気象条件の異なる宮崎県宮崎市および京都府精華町で栽培したところ、いずれにおいても四倍体台木で果実着色を向上させる効果が認められた。硝酸態窒素濃度による新根発生の可塑性を調査する目的で組織培養により育成した5BBならびにその四倍体の根系を二等分し(スプリットルート法)、双方に与える窒素肥料濃度を変化させた。その結果,四倍体台木は二倍体に比べ新根伸長が顕著に小さかったが,二倍体台木と同様に窒素濃度を低下させた側の根の成長が抑制され,窒素を与えた側では根の生育が旺盛になり,窒素濃度変化に適応的な成長反応が認められた。
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