2011 Fiscal Year Annual Research Report
ブドウ台木根系の形態的可塑性に対する倍数性および環境条件の影響
Project/Area Number |
21580040
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
本杉 日野 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (10182172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鉄村 琢哉 宮崎大学, 農学部, 教授 (00227498)
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Keywords | ブドウ / 台木 / 倍数性 / ミニリゾトロン / ルートボックス / スプリットルート法 |
Research Abstract |
ブドウにおける樹勢調節台木として期待される四倍体台木の根系の形態ならびに成長速度、細根の寿命などにおける土壌水分ならびに窒素濃度変化に対する反応について、樹勢が強い元の二倍体台木と対比して、その特性を解明することを目的とした。1)根系を二つの根域に分けて栽培するスプリットルート法において、片側根系のみ窒素肥料を与えた場合、いずれの倍数性台木においても両側に均等に与えた場合よりも生育が促進される傾向が認められた。2)'Pinot noir'をルートボックスに植付け,一時的な潅水制限を行ったところ、四倍体台木で二倍体台木より茎の水ポテンシャルがより低く推移し、新根の発達の抑制される傾向が認められた。果実の着色は水分ストレスにより促進され、二倍体台木で四倍体台木より優れていた。宮崎大学における'巨峰'樹において四倍体5BB台木で二倍体5BB台木よりも新根の発生時期が遅く、発生のピークも遅れる傾向が認められた。3)京都府京丹波町において栽培しているブドウ台木5BBとその四倍体に接ぎ木した'Pinot noir'においてプラスチックマルチによる土壌水分保持処理では、いずれの台木でも対照区(草生)より、蒸散コンダクタンスを高く維持され、栄養成長、葉色、収量等もすぐれたが、果実品質は草生区の方が優れた。この差異は四倍体台木でより顕著であった。4)'巨峰'樹において茎の水ポテンシャル、樹液流速等の日変化は、四倍体台木でより早い時間帯から低下し始める傾向が認められた。5)根および茎の通水性についても四倍体台木で二倍体台木より低くなり、この原因の一つとして茎の肥大に伴う木部比率、総導管断面積の発達が劣ることが観察された。6)プラスチックシェルターのブドウ台木苗に対する初期生育促進効果は、気温の高い夏期には1mmメッシュの網で覆った場合と大差なく、その効果はおもに風による水ストレスを軽減するものと考えられた。
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Research Products
(3 results)