2009 Fiscal Year Annual Research Report
GPIフリッパーゼとGPI生合成の生理的意義の解析
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21580094
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
船戸 耕一 Hiroshima University, 大学院・生物圏科学研究科, 准教授 (30379854)
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Keywords | 脂質 / 糖 / 微生物 |
Research Abstract |
グリコシルフォスファチジルイノシトール(GPI)はタンパク質を膜に繋ぎ止める役割を担う糖脂質であり、その生合成は細胞機能にとって非常に重要である。GPIの生合成は小胞体の細胞質側ではじまる。細胞質側で合成されたGPI中間体は内腔側ヘフリップ(移行)し、マンノースとエタノールアミンリン酸の付加のあと、新生タンパク質へ転移する完全型GPIとなる。GPI生合成の各反応ステップに関与する遺伝子の多くはすでに同定されている。しかしながら、GPI中間体の細胞質側から内腔側へのフリップの分子機構についてはよくわかっていない。我々はこれまでに、酵母遺伝子ARV1がGPI中間体のフリップを調節する遺伝子である可能性を見出してきた。そこで本研究では、ARV1と機能的関係にある遺伝子を探索し、その関係を明らかにすることによって、GPI中間体のフリップの分子機構を解明することを目的とした。また、GPI生合成遺伝子の変異株の表現型を詳しく解析することで、GPI生合成の細胞内における役割を見出すことも本研究のもうひとつの目的である。 本年度の成果は以下の通りである。1)ARVと機能的関係にある遺伝子を得る目的で、ARV1遺伝子破壊株の表現型を抑圧する多コピーサプレッサーを取得し、塩基配列決定によりサプレッサー遺伝子を同定した。2)ARV1を含む他のGPI生合成遺伝子の変異株と酵母のカスパーゼ遺伝子であるYCA1との二重変異株を用いた解析によって、GPI生合成が酵母のカスパーゼ依存的な細胞死を制御していることを明らかにした。3)また、GPI生合成遺伝子の変異株を用いた解析によって、GPI生合成が酵母の経時寿命を調節していることを明らかにした。
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