2011 Fiscal Year Annual Research Report
里山の再構築をめざした人と野生動物の軋轢リスク評価
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21580171
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
森本 淳子 北海道大学, 大学院・農学研究院, 講師 (50338208)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 健太 酪農学園大学, 農食環境学群・環境共生学類・環境空間情報学研究室, 准教授 (10533177)
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Keywords | ヒグマ / エゾシカ / 有害駆除 / 農業被害 / 檜山地域 / 道東地域 / 一般化線形モデル / 防鹿柵 |
Research Abstract |
本年度は、以下に記す2項目について取り組んだ。 1)北海道檜山地域におけるヒトとヒグマの軋轢発生空間の特性 軋轢の多発する空間特性を明らかにすることを目的として、檜山地域の環境情報の整備を行い、ヒグマとヒトのエコトーン指数を5キロメッシュ単位で集計した。今後、目的変数をヒグマの有害駆除による捕獲数、説明変数をエコトーン指数とする一般化線形モデル(GLM)を総当たりで構築し、AICcによるモデル選択を行う予定である。これより、放棄農地を多く含む山がちな地域におけるヒトとヒグマの軋轢発生の特性が明らかになり、ヒグマの保護管理や、軋轢緩和の土地利用管理への基盤となる。 2)ヒトとエゾシカの軋轢発生空間特性の解析 エゾシカはヒグマと異なり、積極的・計画的に狩猟・駆除されているため、ヒグマと同様なモデル構造は適さない。そこで、ヒトとエゾシカの軋轢の指標である、農業被害額を目的変数とし、説明変数に現在とられている被害対策(有害駆除と狩猟による捕獲圧、および防鹿柵による農地保護割合)を設定する。対象は、畑作物の栽培が主流の十勝、オホーツク総合振興局に含まれる37市町村とした。集計単位は市町村とした。どのような被害対策が、軋轢(農業被害)の軽減に貢献するのか明らかにした。その結果、現在の捕獲圧では農業被害を減じる効果がえられていないこと、また、防鹿柵の効果は閾値的であり、25%程度の農地保護率が確保されないと農業被害を減じる効果はないことが分かった。
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Research Products
(4 results)
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[Presentation] Spatiotemporal analysis of salmon usage by brown bears (Ursus arctos) in Hokkaido, Japan2012
Author(s)
Matsubayashi, J., Morimoto, J., Mano, T., Takahashi, O., Nakajima, M., Nakamura, F.
Organizer
The 5^<th> EAFES International Congress
Place of Presentation
龍谷大学(大津市)
Year and Date
2012-03-18
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