2011 Fiscal Year Annual Research Report
地表面排水の圃場外流出を抑制する赤土流出防止対策の開発
Project/Area Number |
21580300
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
吉永 安俊 琉球大学, 農学部, 教授 (80045129)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 一人 琉球大学, 農学部, 教授 (10253949)
仲村渠 将 琉球大学, 農学部, 助教 (70537555)
赤嶺 光 琉球大学, 農学部, 准教授 (90244293)
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Keywords | 赤土等流出防止対策 / 発生源対策 / ウッドチップ / 浸透トレンチ |
Research Abstract |
地下水の影響をできるだけ含めないようにして浸透トレンチ周辺の水分動態を調べるため,地下水位が最も低い部分に再整備した対策区(90cm区)を使って,ウッドチップを充填した浸透トレンチの赤土等流出防止対策効果を検証した.研究実績は以下のとおりである. (1)対策区の流出水量と流出土量は非対策区より少なく,ウッドチップを充填した浸透トレンチが効果的な発生源対策であることを改めて確認することができた. (2)実験条件下では,幅1m x長さ30mの圃場に対して,幅1m x長さ1m x深さ1m程度の浸透トレンチが最適であると考えられた. (3)浸透トレンチの貯水位の経時変化を解析した結果,降雨後,貯水位は速やかに低下することがわかった.このことから,試験地の地下の土層が有する浸透能を条件とした場合,浸透トレンチの貯水は速やかに地下浸透しているといえ,浸透トレンチ周辺の作土は水分過多の状態になりにくいと考えられた.したがって,作物栽培試験を実施することなく,本試験地の条件下においては,浸透トレンチの貯水が作物栽培に与える影響はほとんどないと結論した.沖縄地方には不透水性土層が分布している地域もあることから,そのような地域における検証が今後の課題である. (4)分散配置した浸透トレンチは幅が狭いため,比較的短期間のうちに表面全体が侵食土で覆われて目詰まりしてしまうことが外観の経過観察より確認された.維持管理を容易にすることを考慮すると,対策効果は少し低下するが,圃場の末端にのみ設置する方がよいと考えられた. (5)浸透トレンチの直上流部に設置したフィルター(ススキ葉などの植物残渣)で砂礫分を除去することによって浸透トレンチの目詰まりを抑えることができた.このことから,グリーンベルトの直下に浸透トレンチを設置するといったような複合型にすると浸透トレンチの機能を長期に維持できると考えられた.
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Research Products
(3 results)