2011 Fiscal Year Annual Research Report
GPS軌道誘導農地赤外線自動航空撮影システムの開発と農地の土壌および作柄改善
Project/Area Number |
21580314
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
羽二生 博之 北見工業大学, 工学部, 教授 (70172955)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 聡一郎 北見工業大学, 工学部, 教授 (30250541)
南 尚嗣 北見工業大学, 工学部, 准教授 (40241426)
高井 和紀 北見工業大学, 工学部, 助教 (50271755)
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Keywords | リモートセンシング / GPS誘導 / 赤外線 / 判自動空撮 / 農地空撮 / 農地改良 / 作柄管理 |
Research Abstract |
昨年度軽量化設計によって初年よりも2Kg軽い重量8Kgの機体を製作したことで滑走路を確保できない場所での手投げ発進が可能となり空撮での自由度を高めることができたが、手投げにはまだ機体が重いため、再度軽量化を検討しなおして重量約7Kgの機体を作成し、搭載エンジンの排気量を若干大きくすることで、手投げ発進が大幅にしやすくなったほか、着陸での進入速度が低くなり、草地への強行着陸での破損の危険性も大幅に低減された。昨年度の近赤外線による農地空撮ではカメラアングルが機体の迎え角の影響で斜め前方に大きく傾いていたため、近赤外線画像の輝度が視野の後方に向かって徐々に弱まり、ビートの生育状況の分布が分かりにくく、生育状況のバラツキを示す画像の濃淡が視野の限られた部分でしか把握できなかった。今年度はテスト飛行を繰り返しながら、カメラアングルの修正を行った結果、良好な輝度分布が得られ視野の広い範囲に渡って生育状況のバラツキを把握できるようになった。昨年度は硝酸による土壌の酸性化がビートの生育を阻害することが明かとなったが、今年度は空撮視野の広い範囲において生育のバラツキを把握することができたことで、土壌分析が可能な箇所が増えたためリン酸過多によってもビートの生育が阻害されることが分かった。また、ホウ酸の散布量が少ない場所でも生育が阻害されるが、ホウ酸の散布量が多い場所での生育阻害はみられなかった。カメラアングルの修正によって遠赤外線空撮には生育状況のバラツキが有る程度反映されるが、やはり近赤外線空撮よりもかなり不明瞭な画像しか得られないことが分かった。 この数年の研究を通して、連作を防ぐために前年とは異なる場所にビートの作付けが行われるため、前年度の土壌分析結果を十分に活用することができないことが分かった。しかし、生育状況と土壌成分の関係が分かってきたため、生育の初期に近赤外線空撮と土壌分析を行って土壌改良のための施肥や活性白土(石灰)の散布を行うことで、秋の収穫までに生育のバラツキを減少できる見通しが立ったため、本研究期間が終了した後も引き続き研究を進め、本システムの実用化を目指す。
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