2010 Fiscal Year Annual Research Report
過活動膀胱におけるP2X受容体の役割解明とその受容体を標的とした治療薬の応用
Project/Area Number |
21580365
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
伊藤 勝昭 麻布大学, 獣医学部, 客員教授 (70136795)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿野 仁志 宮崎大学, 農学部, 助教 (50372800)
伊藤 薫 南九州大学, 健康栄養学部, 教授 (70341633)
浅井 史敏 麻布大学, 獣医学部, 教授 (00511677)
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Keywords | 獣医学 / 頻尿 / 膀胱痛 / TRPV1受容体 / P2X3受容体 |
Research Abstract |
1.急性膀胱炎症モデルにおいて排尿行動、疼痛反応、膀胱収縮の関係を検討した。 酢酸を膀胱内に持続注入すると頻尿が起こり、そのとき激しい痛み行動が認められた。痛覚には知覚神経に存在する受容体であるTRPV1とATP受容体のP2Xが関与するといわれる。TRPV1を刺激するカプサイシンの膀胱内注入によっても同様の反応が認められた。両モデルの相違は、酢酸モデルでは排尿直前の疼痛反応が強く、カプサイシンモデルでは排尿直後の反応が強い傾向であった。酢酸による頻尿はP2X拮抗薬およびTRPVI拮抗薬で影響を受けず、カプサイシンによる頻尿はTRPV1拮抗薬で抑制されたが、P2X拮抗薬による影響は受けなかった。P2X拮抗薬とTRPV1拮抗薬は酢酸による疼痛反応を有意に抑制した。カプサイシンによる疼痛反応はTRPVI拮抗薬でのみ抑制された。知覚神経のC線維を脱感作すると酢酸、カプサイシンによる頻尿、疼痛反応は抑制された。 酸刺激はTRPV1のみならず酸感受性イオンチャネル(ASIC)を活性化することが報告されている。今回の結果は酢酸頻尿にはC線維に存在する複数の受容体、チャネルが関与し、排尿反射亢進と疼痛の機序は異なることを示唆する。今回の結果を総合して排尿直前の疼痛は残尿の原因の一つとなる可能性が考えられた。 2.摘出膀胱の電気刺激による収縮を観察しているが、充分なデータが揃っておらずこれからデータが集積した後で解析する予定である。
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Research Products
(1 results)