2009 Fiscal Year Annual Research Report
ガス壊疽菌産生壊死毒素による急性心原性ショックの病態生理機構の解明
Project/Area Number |
21580379
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
向本 雅郁 Osaka Prefecture University, 生命環境科学研究科, 准教授 (80231629)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小崎 俊司 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (10109895)
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Keywords | 悪性水腫 / クロストリジウム / 細胞壊死毒素 / 心臓 / 心不全 / セプチカム |
Research Abstract |
α毒素はC. septicum(NCTC 547株)から既存の方法に従って精製した。自立拍動する心筋細胞を胎齢16日Wister系ラットより調製し、α毒素添加後の心筋細胞の収縮変化を顕微鏡下でビデオ画像として取り込み、拍動解析ソフトにより解析を行った。α毒素を心筋細胞に添加したところ、まず心筋細胞の拍動リズムが速くなり、その後細胞死が起こる前に急速に拍動停止に至った。拍動停止時の心筋細胞膜上でのα毒素の分子動態を明らかにするため、α毒素添加後の心筋細胞を回収し、ショ糖密度勾配遠心により分画後、Western blottingを行いα毒素を検出した。拍動停止直後に回収した心筋細胞から毒素オリゴマーと見られるバンドが検出された。毒素添加1時間後に回収した細胞ではオリゴマー形成の増加がみられた。α毒素の細胞膜上での分子動態の過程においてどの時期に心筋細胞の拍動停止を引き起こすかを明らかにするため、α毒素の細胞毒性を阻害することが知られているパルミチン酸でα毒素を処理後、心筋細胞に添加した。パルミチン酸処理毒素では拍動停止時間の大幅な延長がみられた。Western blottingによりパルミチン酸処理毒素を添加した心筋細胞からは毒素オリゴマーが検出された、これらの結果からパルミチン酸処理による拍動停止時間の延長はα毒素のpore形成が阻害されることによると考えられ、心筋細胞の拍動停止にはα毒素がオリゴマーとなり、膜上でporeを形成していることが必要であることが明らかとなった。
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