2009 Fiscal Year Annual Research Report
家族性パーキンソン病原因遺伝子DJ-1発現誘導機構解明と治療法開発への試み
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21590091
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
平 敬宏 University of Yamanashi, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (70197036)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤室 雅弘 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 准教授 (20360927)
王賀 理恵 山梨大学, 医学部, 助手 (00160432)
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Keywords | DJ-1 / パーキンソン病 / 神経変性疾患 / 転写調節 / 神経細胞 / 神経膠細胞 / アストロサイト / 癌遺伝子 |
Research Abstract |
申請者らが新規に同定した細胞癌化遺伝子DJ-1は、抗酸化ストレス機能を発揮し、パーキンソン病など神経変性疾患における神経細胞死抑制に機能していると考えられるが、その分子機構はまだ解明されていない。そこで、平成21年度は以下の研究をすすめ、一定の成果を得た。 転写プロモーター領域単離と転写調節機構解明 酸化ストレスによる、DJ-1遺伝子発現誘導機構を解明するために、ヒトおよびマウスゲノムDNAから、DJ-1転写開始点上流10~20kbのDNAをHigh Fidelity PCR酵素を使用し増幅・単離を行った。制限酵素地図、塩基配列確認後、ルシフェラーゼおよび分泌型アルカリフォスファターゼ(SEAP)に連結したレポーターコンストラクトを作成した。ついで、各種デリーション変異体を作成し、酸化ストレスに応答する領域を、神経芽細胞腫由来培養細胞SHSY-5Y細胞に、一過性遺伝子導入、およびStable Cell Lineを作成し検討した。その結果、in vivoで認められるような顕著なDJ-1遺伝子発現誘導は観察される事が出来なかった。この事実から、酸化ストレス誘導には、神経細胞のみならず神経膠細胞(特にアストロサイト)がその制御に重要である手がかりを得た。現在、神経膠細胞と神経細胞の共培養系、神経膠細胞に特異的に作用する酸化ストレス誘発剤を使用し神経および神経膠細胞における抗酸化ストレス機構解析に取りかかっている。
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