2011 Fiscal Year Annual Research Report
脳神経変性疾患医薬標的としての小胞体関連分子による不良蛋白質分解系/凝集抑制物質
Project/Area Number |
21590101
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Research Institution | Chiba Institute of Science |
Principal Investigator |
大熊 康修 千葉科学大学, 薬学部, 教授 (20127939)
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Keywords | 小胞体ストレス / ケミカルシャペロン / 細胞死 / アルツハイマー病 / パーキンソン病 / 神経変性疾患 |
Research Abstract |
(1)アルツハイマー病(AD)患者死後脳大脳皮質において、HRD1タンパク質量が有意に減少していること、また、同画分におけるHRD1タンパク質量とヒト大脳皮質におけるAβ蓄積量との間には高い負の相関関係があることが明らかとなった。一方、NP-40不溶性画分では、AD患者群におけるHRD1タンパク質量は有意に増加し、Aβ蓄積量との間には高い正の相関関係があることが明らかとなった。一方、培養神経細胞を用いた研究では、H2O2による酸化ストレス負荷がHRD1およびSEL1Lタンパク質の不溶化を引き起こすことが明らかとなった。 (2)神経幹細胞に小胞体ストレスを負荷させると、幼若神経細胞が増加する一方、神経幹細胞および成熟神経細胞が減少した。また神経分化を抑制する転写因子群であるのmRNAの発現量を著明に低下させた。さらにツニカマイシン誘導性小胞体ストレスはSEL-1L及びHRD1の発現誘導を介してNotchシグナルを抑制することで正常な神経分化を抑制している可能性が示唆された。 (3)4-PBAの誘導体など種々の化合物についてシャペロン機能を解析することで、ケミカルシャペロンとしての活性を決定する分子機構を明らかにする目的で、ケミカルシャペロン機能の測定をLactalbuminを用いた蛋白凝集度の測定により行った。これまでに、浜名ら(本研究の連携研究者)が合成した、フェニル基と四つの炭素鎖からなるカルボン酸である4-PBAのフェニル基の代わりに異なる官能基を入れたものや、カルボン酸の炭素鎖数を変えた誘導体について構造活性相関が得られた。
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Research Products
(23 results)