2009 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子導入・発現増強剤としての正電荷ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤の開発
Project/Area Number |
21590131
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
長岡 康夫 Kansai University, 化学生命工学部, 教授 (90243039)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 喜之 星薬科大学, 薬学部, 准教授 (90350222)
上里 新一 関西大学, 化学生命工学部, 教授 (50111969)
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Keywords | 遺伝子導入 / リポフェクション / ヒストン脱アセチル化酵素 / HDAC / HDAC阻害剤 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
動物細胞への安全で効率の良い遺伝子導入・発現技術が現在、広く生命科学の諸分野の研究で求められている。本研究は当該技術の一つとして開発するものであり、21年度には以下の研究結果を得た。 遺伝子発現増強剤の構造活性相関 種々の遺伝子発現増強剤の合成を行い、それらの構造活性相関を基に、構造最適化を行った。本剤の基盤となるHDAC阻害剤としては、安全性の評価を考慮し、すでに米国において、承認され上市されているVorinostatを用い、この薬剤を種々の脂肪酸で修飾し、プロドラッグ化した化合物を遺伝子発現増強剤とした。この脂肪酸修飾の違いによる活性の強弱について検証し、最適なものを選抜した。 リポフェクション試薬の検討 近年、リポフェクション法による遺伝子導入技術が広範な分野へ応用されるようになり、様々なものが開発されている。その中で、インビトロジェン社製のLipofectamineRが最も汎用されている。本研究では、このLipofectamineRの遺伝子発現に対する遺伝子発現増強剤の効果を検討した。また、共同研究者のグループでその効果を実証した、正電荷ナノ粒子に対する遺伝子発現増強剤の効果についても調べた。 種々の細胞に対する遺伝子発現増強作用の最適化と実証試験 本剤の処方の最適化と実証試験を兼ねて、何種類かのハムスターやヒトの正常・がん細胞に対する効果を検証した。また、発現増強のメカニズムを分子生物学的手法により解明した。
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Research Products
(2 results)