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2011 Fiscal Year Annual Research Report

多環芳香族炭化水素類の塩素置換体による健康影響リスク評価に関する研究

Research Project

Project/Area Number 21590147
Research InstitutionNational Institute of Health Sciences

Principal Investigator

西村 哲治  国立医薬品食品衛生研究所, 生活衛生化学部, 部長 (20156110)

Keywords多環芳香族炭化水素類 / B[a]P / 塩素置換体 / 変異原性 / 染色体異常 / in vitro試験 / 暴露 / リスク評価
Research Abstract

研究実施を進める上で、市販の標準品の入手が難しい多環芳香族炭化水素類のハロゲン置換体に関して、DewhurstとKichenの方法を応用してベンゾ[a]ピレン(B[a]P)の塩素置換体及び臭素置換体を化学修飾合成した。本方法は、他の多環芳香族炭化水素類のハロゲン置換体の作製に適用できる可能性が認められ、本合成法の導入確立は今後の研究の推進に大きく寄与できると考えられた。B[a]Pの6位の塩素置換体(B[a]P-Cl;純度96.7%)、6位の臭素置換体(B[a]P-Br;純度97.2%)、6,11-位と6,13-位に塩素が置換した混合物としての二塩素置換体(B[a]P-2Cl;純度94.6%純度)について、変異原性試験を実施した。微生物を用いた変異原性試験(Ames試験)では、3物質とも、代謝活性を行わない場合にはほとんど変異原性を示さなかった。ラット酵素誘導肝ホモジネートによる代謝活性化を行った場合には、塩基置換型の変異(TA100株)とフレームシフト型(TA98株)において、弱い変異原性を示した。3物質の中では、臭素置換体が最も強い変異原性を示した。しかし、代謝活性化を行ったB[a]Pに比べ、強い変異原性は示さなかった。培養細胞を用いた染色体異常の発生頻度を調べた結果、代謝活性化を必要とした条件のみで弱い染色体異常の誘導活性を示した。浄水で塩素置換体の存在は、高さの低いピークは認められることもあるが、定量下限値未満である結果が得られている。水道水の塩素消毒の際や、下水処理水の放流の際に細菌汚染を防ぐために塩素消毒を行う際に、存在するB[a]Pが塩素に暴露されて塩素もしくは臭素置換体が生成し、健康に対するリスクが生じる恐れが想定されたが、本研究の結果からは直ちにリスクを考慮しなくてはならない程度にはない状況と考えられた。

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Published: 2013-06-26  

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