2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21590366
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
佐々木 素子 Kanazawa University, 医学系, 准教授 (70225895)
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Keywords | 病理学 / 生体分子 / 再生医学 / 細胞老化 |
Research Abstract |
本研究では、肝臓病の進展と肝発癌における細胞老化の役割を明らかにして、細胞老化の制御による肝臓病の新たな治療法の開発をめざしている。 肝臓病の肝組織における細胞老化の発生状況の解析:収集した肝組織材料を用いて、原発性胆汁性肝硬変(PBC),慢性ウイルス性肝炎などの慢性肝疾患の細胆管反応における細胞周期マーカー(G1期,cyclin D1 ; S期,cyclin A)と老化関連マーカーp16^<INK4a>、p21^<WAFI/Cip>発現、肝ステム細胞マーカーneural cell adhesion molecule(NCAM)発現の関連を検討した。PBCなどの慢性肝疾患では線維化の進行に平行して細胆管反応に細胞老化がみられること、NCAM発現はむしろ老化胆管細胞に発現することが明らかになった(Am J Clin Pathol 2010)。 2.老化細胞による肝微小環境調節の分子機構の解析:マウス培養胆管細胞に酸化ストレス、血清除去などにより細胞老化を誘導し、炎症性ケモカインを中心に、老化細胞に特徴的な微小環境調節候補分子群の遺伝子発現プロフィールを検討した。CCL2,CX3CL1をはじめ、多くのケモカインが老化胆管細胞で発現亢進を示すこと、老化胆管細胞の培養上清中にこれらケモカインが分泌されること、老化胆管細胞の培養上清は単球の遊走を促進することが明らかになった。また、PBCの破壊性胆管炎の局所では、老化胆管細胞にCCL2,CX3CL1発現の亢進を認めた。老化細胞が微小環境調節を行い、炎症を促進している可能性が示唆された(論文投稿中)。
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