2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21590366
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
佐々木 素子 金沢大学, 医学系, 准教授 (70225895)
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Keywords | 病理学 / 生体分子 / 再生医学 / 細胞老化 |
Research Abstract |
本研究では,肝臓病の進展と肝発癌における細胞老化の役割を明らかにして,細胞老化の制御による肝臓病の新たな治療法の開発をめざしている。 1.老化細胞による肝微小環境調節の分子機構の解析:原発性胆汁性肝硬変(PBC)の破壊性胆管炎の局所では、老化胆管細胞におけるCCL2,CX3CL1発現が亢進していた。また、老化胆管細胞周囲には対応レセプターであるCCR2,CX3CR1陽性単核球、組織球のより強い浸潤を認めた。老化胆管細胞が周囲微小環境調節を行い、炎症の持続、促進に関与すると考えられた(肝臓西部会2011で発表,論文準備中)。また、非アルコール性脂肪性肝炎では線維化の進行に伴ってCCL2陽性老化細胆管細胞が増加することが示された(J Clin Pathol 2011)。さらに培養胆管細胞にストレスを加えて老化を誘導すると、CCL2,CX3CL1をはじめ多数のケモカイン、サイトカインの発現が亢進した。老化胆管細胞と肝星細胞の共培養では、肝星細胞の遊走が促進された(J Clin Pathol 2011)。 2.老化細胞の運命とその制御機構の解明 培養胆管細胞に細胞老化を誘導した後、長期培養を行い、老化細胞が細胞死に至る経路の検討を行った。老化細胞が細胞死に至る過程にはアポトーシスとオートファジーの両者が関与することが明らかとなった(論文準備中)。また、胆管細胞の老化にはオートファジーが先行すること,p62/sequestosome-1蓄積を示すオートファジー異常が細胞老化の発生に必要であることが,PBCの胆管病変での検討と培養細胞を用いた検討から示唆された(Liver int 2012)。
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Research Products
(11 results)