2009 Fiscal Year Annual Research Report
TTF-1が関与する悪性神経内分泌細胞特異的分子発現誘導システムの全容解明
Project/Area Number |
21590376
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
矢澤 卓也 Yokohama City University, 医学研究科, 准教授 (50251054)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥寺 康司 横浜市立大学, 医学部, 助教 (10326027)
下山田 博明 横浜市立大学, 医学部, 助教 (60381472)
佐藤 華子 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (60438132)
北村 均 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (20094302)
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Keywords | 肺癌 / 悪性神経内分泌腫瘍 / TTF-1 |
Research Abstract |
肺腺癌の多くは末梢気道上皮から発生し、転写因子Thyroid Transcription Factor-1 (TTF-1)を発現している。一方、小細胞癌の多くは通常TTF-1を発現していない中枢気道がら発生するにもかかわらず、肺腺癌に比してはるかに大量のTTF-1を発現している。本研究では、TTF-1が肺小細胞癌の生物学的特性にどのように関与しているのか、そしてなぜ小細胞癌に大量のTTF-1が発現されているのか、という命題について、病理組織学的および分子病理学的に解析を行い、TTF-1が関与する悪性神経内分泌細胞特異的分子発現誘導システムの全容を明らかにしていくことを目的とし、本年度は神経内分泌細胞の悪性化段階(Neuroepithelial body、典型的カルチノイド、異型カルチノイド、小細胞癌)におけるTTF-1発現性の変化、神経内分泌細胞特異的転写因子の発現性の変化、またTTF-1遺伝子プロモーターのエピジェネティック変化について肺腺癌を比較対象として検討を行った。その結果、神経内分泌細胞特異的なbasic helix-loop-helix型転写因子であるNeuroD1の発現は、Neuroepithelial body、典型的カルチノド、異型カルチノイド、小細胞癌において普遍的に発現されでいること、NeuroD1により発現誘導されるInsulin-like growth factor-2、 Neural cell adhesion molecule-1の高発現現象についてもNeuroepithelial body、典型的カルチノイド、異型カルチノイド、小細胞癌のいずれにおいても保たれていること、神経内分泌系悪性細胞における過剰発現が報告されているbasic helix-loop-helix型転写因子ASCL1の発現は異型カルチノイドの段階から既に認められることそして同時期からTTF-1の発現も見られること、肺小細胞癌、TTF-1を発現している肺腺癌、TTF-1を発現していない腺癌いずれにおいてもTTF-1プロモーターにおけるエピジェネティック変化は認められないことが明らかとなった。
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Research Products
(12 results)