2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21590381
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
宇月 美和 東邦大学, 医学部, 助教 (50305992)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤井 高志 岩手医科大学, 医学部, 教授 (00125577)
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Keywords | 関節リウマチ / ヒアルロン酸 / ヒアルロニダーゼ / 分子量 / 関節液 |
Research Abstract |
【目的】昨年までの検討で、関節リウマチ(RA)患者の滑膜組織では高分子量のヒアルロン酸(HA)の合成が低下するとともに分解が亢進し、さらに低分子HAの合成が亢進していることが証明された。本年度は同一患者の関節液や血清中のHA分解酵素の存在を証明し、さらに軟骨での基質の変化を検討する。 【対象・方法】昨年までに滑膜組織を用いて検討をおこなったRAおよび対照例のうち、血清と関節液を滑膜と同時に採取し、保存していた症例の血清と関節液を用いて、ヒアルロン酸分解酵素(Hyal)の活性について、高分子HAを基質として加えたザイモグラフィーで検討した。さらにWestern blottingにて、血清や関節液中のHyal-1, Hyal-2の蛋白の検出をおこなった。また、上記の結果を昨年までの滑膜組織による検討の結果と比較した。さらに、軟骨基質中のHA、プロテオグリカンの変化も検討した。 【結果】ザイモグラフィーでは、RA患者の関節液中のHyal活性は対照例や炎症の陳旧化したRAと比較して高値となっていた。また、昨年、滑膜組織でHyal-1, Hyal-2について、免疫組織化学やin situ hybridizationで検討した結果と相関しており、滑膜組織中のHyal-1, Hyal-2陽性細胞数の多い症例の関節液でHyal活性が高いという傾向を示した。さらに、Western blottingの結果もザイモグラフィーや免疫組織化学、in situ hybridizationの結果と相関していた。軟骨組織については、表層の部分は、どの症例も基質の減少がみられたが、深部においては、基質が保たれている傾向がみられた。 【結論】HA分解酵素のHyalは滑膜組織で産生された後に、関節液中に存在しており、関節液そのもののHAの低分子化をもたらすほかに軟骨組織のHAの分解などにも関与している可能性が示唆された。
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Research Products
(4 results)