2009 Fiscal Year Annual Research Report
再生医学的視点による腫瘍内マクロファージの樹状細胞への再分化法の確立
Project/Area Number |
21590416
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
齊尾 征直 University of the Ryukyus, 医学部附属病院, 准教授 (40242721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高見 剛 岐阜大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70136943)
吉見 直己 国立大学法人琉球大学, 医学部, 教授 (30166996)
富田 真理子 国立大学法人琉球大学, 医学部, 准教授 (80381250)
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Keywords | 腫瘍内マクロファージ / マウス / 樹状細胞 |
Research Abstract |
腫瘍内浸潤骨髄球系細胞(CD11b)陽性の中には,少量ではあるが,顆粒球(Gr-1強陽性)や樹状細胞(CD11b中等度陽性,CD11c強陽性)が含まれている(全CD11b陽性細胞中10%程度の場合が多かった。)ことが分かったので,当初の計画の通り,マクロファージのマーカーであるF4/80を用いて腫瘍内からマクロファージ系の細胞を精製した。その後,フローサイトメトリーによる表面抗原の特徴の解析と,F4/80陽性細胞の全RNAを用いたRNA解析(リアルタイムPCR法,マルチプルPCR法)にて解析し,F4/80陽性細胞は,ケモカイン受容体のCCR2とCCR5を強度に発現することが分かった。この結果は,腫瘍内のF4/80陽性細胞は,マクロファージと考えたほうが良い細胞であり,樹状細胞とは言い難い表現型であることが裏付けられた。そこで,更に腫瘍内浸潤F4/80陽性細胞の細胞内情報伝達系(Stat1,3,5,6など)を解析したが,その結果も樹状細胞系の情報伝達系は活性化しておらず,単球・マクロファージ系で活性化している情報伝達経路が活性化していることが分かった。つまり,腫瘍内の骨髄球系細胞は,今回用いたMCA38マウス大腸癌細胞の腫瘍内浸潤F4/80陽性細胞は単球・マクロファージ系の特徴を備えていると考えられた。なぜマクロファージへの分化が明確に起こるのかは,IL-2とTNF阻害を組み合わせた系を用いた研究の成果から,マクロファージのCD115発現が強く寄与していることが示唆された。(現在両方とも論文作成中である。)
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