2009 Fiscal Year Annual Research Report
Clostripainの活性制御と炎症反応の修飾の機構について
Project/Area Number |
21590483
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
岡部 昭延 Kagawa University, 医学部, 教授 (20093677)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮田 茂 香川大学, 医学部, 講師 (90314913)
成谷 宏文 香川大学, 医学部, 助教 (30452668)
鈴木 基生 香川大学, 医学部, 助教 (80457340)
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Keywords | ウェルシュ菌 / Clostripain / プロテアーゼ / リンカー・ペプチド / 病原因子 |
Research Abstract |
クロストリパインのリンカーペプチドの野生型と変異型の酵素をコードする遺伝子を構築し、これをClostridium perfringens13株で発現させた。野生型の酵素を分離精製する方法を確立した(Microbiology 2010に発表)。現在、変異型酵素の精製、ならびにリンカーペプチドの分離精製を検討している。Ca^<2+>キレート剤を培地に加えると、成熟酵素の生成が抑制されることが明らかとなった。これは遺伝子発現レベルの抑制によるものか、成熟過程の阻害によるものかについて現在検討している。マウスの大腿部の筋肉内接種による実験的ガス壊疽の結果では、クロストリパインの野生型(C. perfringens 13株)と変異型(C. perfringens 13ΔClp株)ではいずれも10^9PFUの生菌数が発症に必要であり、両者が起こすガス壊疽の症状(発赤、腫脹、ガス産生、筋肉壊死)と感染組織の病理像(C. perfringensの増殖と白血球の浸潤、炎症像)において有為な差は認められなかった。C. perfringensの感染における食細胞の役割については、初期が重要であるとされており、現在少量の生菌(10^5~10^7)接種の効果について、野生株、変異株、高度産生株を用いて比較検討を行っている。なお、当初の目的とは異なるが、クロストリパイン非産生の条件では、菌体内の蛋白が培地中に蓄積されやすく、菌の凝集性が高まるという現象が見られ、この凝集性は菌体内蛋白と低分子のペプチド成分の作用を示唆する結果が得られたので、クロストリパインの新しい生理学的機能と考えている。
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Research Products
(2 results)