2010 Fiscal Year Annual Research Report
医学部カリキュラムと心理統計に基づく臨床実技試験の質的解析と設計
Project/Area Number |
21590569
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
田川 まさみ 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 教授 (90261916)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 賢一 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 助教 (10565724)
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Keywords | 医学・歯学教育 / 客観的臨床能力試験 / OSCE |
Research Abstract |
本研究は、医学部卒業時OSCEで測定する臨床能力、測定方法、成績集計と判定方法、評価の信頼性を解析し、望ましいOSCEの計画と適切な成績判定方法を提案するものであり、22年度は、21年度実施OSCEの解析に基づく課題作成、評価項目、評価方法の改善を行い、新たに実施したOSCEのデータ解析結果を加えてOSCEの設計、実施マニュアル、評価方法の基本を構築することを目指した。卒業時OSCEの概要、ならびに研究の過程で明らかになった評価項目の相関等について日本医学教育学会で発表した。 1)プループリントに従った課題構築の基本的要素として患者背景、疾患・病態、臨床推論のキーワード、コミュニケーションの課題をリストアップし、課題(シナリオ)作成方法、試験遂行の手順、模擬患者養成方法を確立した。2)評価項目リストのブラッシュアップのために評価対象能力を分類し、課題に関わらず利用できる標準評価項目教員用84項目、模擬患者用23項目を作成した。6課題について各能力に関する評価項目の信頼性と相関を検討した結果、情報収集、身体診察、情報提供、臨床推論、コミュニケーション・対人関係の評価が基本評価項目として推奨された。3)臨床推論の評価に診療録の概略評価を採用し、3名の評価者で採点した結果、実施した6課題で0.77-0.88の高い信頼性が得られた。4)同一受験生に実施した2課題の比較検討では、課題により得点傾向が異なり症例特異性が存在することが明らかになった。また、課題数を増加することにより多くは評価能力別の信頼性は向上するが、向上しない課題の組み合わせが存在し、妥当性、信頼性を向上させるためにはより多くの課題を行うことにより臨床能力の総合的な評価ができることが示唆された。5)教員および模擬患者の概略評価が相関する項目は異なっており、今後評価者による評価の特性を検討する必要が示された。
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[Presentation] The long SP-encountered station of OSCE measures a broad range of clinical competence2010
Author(s)
Taeawa, M., Matsushita, T., Sakiyama, T., Higashimoto, I., Nerome, Y., Yonekura, K., Muranaga, F., Ikeda, K., Akasaki, J.
Organizer
第42回日本医学教育学会大会
Place of Presentation
都市センターホテル(東京都)
Year and Date
2010-07-30
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