2010 Fiscal Year Annual Research Report
乳がん・子宮がんの検診受診率向上につながる医療リテラシー改善に関する研究
Project/Area Number |
21590575
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Research Institution | Hokusei Gakuen University |
Principal Investigator |
大島 寿美子 北星学園大学, 文学部, 准教授 (60347739)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前沢 政次 北海道大学, 医学研究科, 教授 (90124916)
北澤 一利 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (00204884)
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Keywords | 乳がん / 子宮がん / リテラシー / がん検診 |
Research Abstract |
本研究の目的は、乳がん及び子宮がんの低迷する受診率を改善するために、日本人女性の検診に対する医療リテラシーの現状を明らかにし、低い受診率の背景にある文化的、心理学的な要因を分析し、さらに個人の価値観や文化的要因を尊重した情報提供手段を開発する、ことにある。 平成22年度は平成21年度の文献及び予備調査に基づき、20代前半の女性を対象とした質問紙調査を行った。調査の結果は3つの学会で発表した。 調査からクーポン券の利用率が低いことが明かとなった。検診意志のある者の割合は高いことから、クーポン券を有効活用するための働きかけが必要だと思われる。受診行動を促すきっかけ作り、検診への抵抗を和らげる環境作り、検診施設に関する情報提供などの効果が期待できるかもしれない。クーポン券が本人に確実に渡るような工夫の必要性が示唆された。 また、「他者の期待」が子宮がん検診の受診行動になんらかの影響を与えている可能性が示唆された。また、婦人科や子宮がん検診に対する心理的な抵抗感が検診受診の障壁となっていると考えられ、適切な情報提供や検診環境の整備を通じた働きかけが受診率向上につながる可能性が示唆された。 さらに、検診に関する知識に比べ、子宮頸がんのリスクやHPVに関する知識が低かった。保護者を通じた働きかけが子宮頸がんに関する知識と検診意志の向上に有効である可能性が示唆された。保護者への情報提供を充実させるとともに、検診初診年齢となる20歳で適切な受診行動を取ることができるような教育プログラムの開発が望まれる。
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Research Products
(3 results)