2011 Fiscal Year Annual Research Report
膵臓癌細胞由来膜/核内タンパク質ー自己抗体結合体を標的にした膵臓癌特異抗原の検索
Project/Area Number |
21590642
|
Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
宮本 好晴 大阪医科大学, 医学部, 助教 (20368096)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 豊文 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (10247843)
松村 洋子 大阪医科大学, 医学部, 助教 (80388256)
武内 徹 大阪医科大学, 医学部, 助教 (10330078)
田窪 孝行 大阪医科大学, 医学部, 教授 (60163359)
高折 恭一 京都大学, 医学部, 講師 (10329485)
|
Keywords | 自己抗体 / 膵臓癌 / 細胞膜/核内タンパク質 / プロテオミクス |
Research Abstract |
自己抗体を標的にしたプロテオーム手法の癌診断への応用は、2001年Hanash教授らのグループより初めて報告され、その後も数々の成果が発表されている。我々グループは、いち早く本法の有用性に注目し、癌プロテオミクスを学内研究グループと共に立ち上げ、これまでに肺癌.食道癌(Peroxiredoxin-VI、HSP70isoform)・非ポジキンリンパ腫(L-plastin)の診断指標となり得るバイオマーカーを同定し、専門誌に投稿すると共に特許出願した。更に、可溶性膵臓癌抗原を用いて、TIMおよびα-enolaseに対する自己抗体が膵臓癌診断に有用であることを報告した。 今回、使用する膵臓癌由来抗原を従来のSDS可溶性総タンパク質から、弱~難溶性の細胞膜/核内成分タンパク質を癌抗原とし、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法-ウエスンプロット/化学発光検出法-ナノスプレーイオン化/マトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析法-データ・ベース検索法を用い、膵臓癌患者の自己抗体と特異結合する膵臓癌特異抗原の検索を実施した。 上記方法にて膵臓癌患者および健常者血清(膵臓癌20例、家族性膵臓癌3例、健常者10例)を用いた実験で、細胞膜や核内由来タンパク質に対して特異的に結合する複数本の陽性バンドを見出し、そのバンド中から6種のタンパク質(MAP7 domain conaining 2,carbonlic anhydrase 1, ubiquilin-likeprote in, pyruvate kinase M1/M2, FAST kinase domain containg protein2 and pericentriolar material 1)を同定した。それらタンパク質分子に対する自己抗体は健常者血清では検出されず、膵臓癌に対して感度・特異度が高いタンパク質分子の可能性があり、今後その陽性率を多種多様なサンプルに対して統計学的処理し、その有用性を明らかにする必要があった。
|
Research Products
(1 results)