2010 Fiscal Year Annual Research Report
食事脂質が脂肪酸代謝異常ヘテロ接合体マウスに与える影響について
Project/Area Number |
21590704
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
堀内 正久 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 准教授 (50264403)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 亨 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 教授 (00188161)
浅川 明弘 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 准教授 (10452947)
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Keywords | カルニチン / ヘテロ接合体 / 脂肪酸代謝異常 / 食事 / 肥満 / レプチン抵抗性 |
Research Abstract |
21年度に引き続き、脂肪酸代謝異常マウス(JVSマウス:カルニチン輸送体欠損マウス)を用い以下の実験を試みた。野生型オスマウスとヘテロ接合体メスマウスを交配し、野生型マウスとヘテロ接合体マウスを得、遺伝子診断にて区別を行った。 普通食(8%脂質)と脂肪食(24%脂質)にて、3か月間の飼育を行った。21年度に、オスヘテロ接合体マウスに肥満を観察することができた。22年度では、メスマウスについて検討を試みたが、メスヘテロ接合体マウスは、脂肪食でも野生型マウスに比べて、体重も内臓脂肪量も有意な差はなかった。一方、オスマウスについては、血液生化学的な解析を加えた。血糖、インスリンレベルがヘテロ接合体マウスの普通食と脂肪食群の間で有意な差を認めた。これはむしろ、摂食量の違いを反映している可能性が考えられた。 レプチンレベルは、ヘテロ接合体脂肪食群で高く、ヘテロ接合体マウスはレプチン抵抗性が存在することが示唆された。カルニチンの投与は、効果を認めないことから、投与量が不十分な可能性も考えられた。 また、投与カルニチンは脳には取り込まれないことが明らかにされていることから、ヘテロ接合体マウスに認められたレプチン抵抗性は、中枢性のレプチン抵抗性の可能性が示唆された。実際に中枢性のレプチン抵抗性が認められるのか、視床下部中枢の遺伝子発現の測定を試みる予定である。 日本では、この60年間で脂質摂取量が4倍増加している。今回得られた知見は、「食事脂質含量、遺伝的背景と疾患発症」の関連を考える上で貴重なものになるだろう。
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