2009 Fiscal Year Annual Research Report
医療IT化が医療システムの透明性・効率に及ぼす効果に関する実証的研究
Project/Area Number |
21590716
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
長谷川 友紀 Toho University, 医学部, 教授 (10198723)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 邦愛 東邦大学, 医学部, 助教 (50288023)
城川 美佳 東邦大学, 医学部, 助教 (10177785)
北澤 健文 東邦大学, 医学部, 助教 (30453848)
瀬戸 加奈子 東邦大学, 医学部, 大学院生 (50537363)
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Keywords | 医療・福祉 / 社会医学 / 医療情報学 / 電子カルテ |
Research Abstract |
初年度の研究は、各国のIT技術活用状況や医療システムの透明性・効率に対する影響に関して文献サーベイを行うとともに、国内外関係機関における聞き取り調査、および官庁データの取得準備を行った。 文献サーベイおよび聞き取り調査の結果、以下のことが明らかとなった。まず、医療施設間の連携をも含んだ電子カルテ(EHR)の欧米での同行は、EUでは、EHRの基盤の確立に成功し、第二段階に進んでいるが、その一方米国は、2004年からEUを参考にして国のプロジェクトとして開発を始めたが、挫折し、2009年の新政権が、再度世界を調査し、今までのプロジェクトの問題点を分析し、政府の責任で、国の資金で開発をする新たの方針で、2014年を目標に新たなプロジェクトを全力で進めている状況であることが明らかとなった。EU始めこれまでのEHR開発のノーハウやツールを活用するためのグローバルな組織Open Health Tool(OHT)は、こうした先行国の開発に重要な役割を果たした35組織が動き出し日本からの参加も期待されている。 日本の国内の調査では、個々の病院では2009年度末で電子カルテ導入病院は623病院、オーダリング・システムのみ導入の病院は1618病院と、医療IT化を進める病院は増加割いているものの、連携の促進に関しての効果は限定的であることが明らかになった。 このような聞き取り・文献検索を中心とした医療IT化に関する情報は、次年度以降のアンケート調査、実証分析を進める上で大きな意義を持つ情報と考えられる。
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