2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21590759
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
引網 宏彰 University of Toyama, 大学病院, 講師 (70345586)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴原 直利 富山大学, 和漢医薬学総合研究所, 教授 (10272907)
|
Keywords | 褥瘡 / 漢方薬 / 老化 / 東洋医学 |
Research Abstract |
褥瘡に対する漢方薬の効果とその作用機序を明らかとするために、褥瘡モデルラットを作成した。24週齢のwistar系ラットを麻酔下で固定板上に側臥位で固定し、右大転子上の皮膚に735mmHg(接触部直径12mm)の圧を6時間、4日間連続負荷する加圧負荷による褥瘡モデル動物の作成を作成した。 この褥瘡モデルラットを用い、漢方エキス製剤原末(十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)・黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう))また帰耆建中湯(きぎけんちゅうとう)エキスについて褥瘡に対する治療効果を調べた。十全大補湯・黄耆建中湯エキス製剤原末と帰耆建中湯エキスを、それぞれ1g/kg/day投与群と水投与群を対照として褥瘡治癒日数を比較したところ、帰耆建中湯エキスが最終治癒日数が短縮している傾向がみられた。さらに帰耆建中湯の褥瘡治療効果を調べるため、加圧負荷にて褥瘡を形成したラットに250mg/kg/day帰耆建中湯エキス含有水投与群、500mg/kg/day帰耆建中湯エキス含有水投与群および対照群として水投与群に分け、褥瘡の治癒過程を観察し、潰瘍面積を画像解析ソフトにて計測した。投与第12,14,19日目において潰瘍面積は250mg/kg/day投与群および500mg/kg/day投与群で対照群に比較して、有意に縮小していた。また、痂皮消失日数は250mg/kg/day投与群および500mg/kg/day投与群で対照群に比べて有意に短縮していた。 これらの実験により、漢方薬・帰耆建中湯の褥瘡治癒効果が明らかとなった。今後は、その作用機序を免疫組織学的に明らかとする。
|
Research Products
(1 results)