2009 Fiscal Year Annual Research Report
医師の態度と患者効用値に注目した糖尿病治療判断における行動科学的検討
Project/Area Number |
21590761
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小泉 順二 Kanazawa University, 附属病院, 教授 (20161846)
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Keywords | 治療判断 / 患者の選好 / 教育スタイル / セルフ・エフィカシー / 効用値 / レイティングスケール / SF-36 |
Research Abstract |
本研究では、医師の治療への考え方や行動、および、患者の効用値を測定することで患者の病態への考え(選好:preference)を明らかにし、治療判断(shared decision making)の有用性を検討することを目的に開始された。本年度は、まず、医師の糖尿病教育スタイルとセルフ・エフィカシーの血糖コントロール目標値およびその医師の患者における血糖コントロール値に及ぼす影響の検討のために、研究に同意の得られた医師に、医師の糖尿病教育スタイルとセルフ・エフィカシーについてのアンケートを送付した。また、医師のキャリアー等についての訪問アンケートの承諾を得られた医師への訪問を開始し、アンケート結果の収集を進めている。現在、すべての医師の調査が終了していないため、終了しだい解析を行う予定である。また、患者の選好を検討するために、健康関連QOLと効用値の測定を開始した。本年度は、安定期にある外来通院中の心筋梗塞患者について検討した。レイティングスケール(RS)法での現在の健康状態の効用値は包括的健康関連QOL尺度であるSF-36と相関を認めた。3段階の重症度の仮想シナリオ効用値(RS)とSF-36尺度との間には一部相関を認めるのみであったが、現在のRSとには正の相関を認め、現在の健康状態が将来の健康状態を想定した効用値測定結果に影響することが示唆された。 これは同じ病態の説明が患者に行われたとしても、患者の現在の状態により受け取り方が異なることを示唆しており、患者とのインフォームド・コンセントで考慮すべき知見である。さらに、糖尿病患者での同様の測定も開始されている。来年度は今年度に行えなかった調査をさらに進め、必要な解析を行う予定である。
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[Journal Article]2010
Author(s)
小泉順二
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Journal Title
今日の治療指針 私はこう治療している 付録 診療ガイドライン 15. 動脈硬化性疾患予防ガイドライン2007年版(医学書院)
Pages: 1765-1770
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