2010 Fiscal Year Annual Research Report
腹部症状発現の分子メカニズムの解明-神経炎症と粘膜透過症の食道症状への関わり-
Project/Area Number |
21590799
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
三輪 洋人 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (80190833)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 忠之 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (00381814)
櫻井 淳 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (30528998)
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Keywords | 逆流性食道炎 / ニューロキニン / サブスタンスP |
Research Abstract |
・脊髄後根神経節および迷走下神経節における神経炎症と食道炎モデルにおける食道粘膜細胞間間隙ラット慢性酸型逆流性食道炎モデルを用いて食道から投射される後根神経節レベルをまず同定した。 Th8,Th9,Th10が投射部位であることが明らかとなった。慢性酸型逆流性食道炎モデルにおいて、このレベルでのサブスタンスPあるいはCGRPの発現変化を検討し、これらの発現レベルが有意に増加することを明らかとした。 ・Air liquid Interfaceの系の確立 ヒト気管上皮細胞(NHBE)がBEGM(CAMBREX、USA)とDMEMが1対1で混合された培養液を用いてAir liquind Interface(ALI)法で培養すると、細胞が扁平上皮化し、食道粘膜様扁平上皮細胞層を構築することが出来、DNA arrayによりその遺伝子発現パターンは、他の食道癌上皮細胞株に比べてヒト食道粘膜上皮と非常に類似していることが明らかとなった。Real time PCRとwestern blottingでタイト結合蛋白の発現パターン(CLDN4)やサイトケラチン(CK4,CK13)発現パターンを確認すると食道扁平上皮と同様であり、食道様扁平上皮細胞層のin vitroモデルを作成することが可能となった(Oshima T, Miwa H et al.Am J Physiol Cell Physiol.2011)。この細胞系でPPAR-delta作動薬を用いるとTEER上昇を認め、食道粘膜上皮のバリア機能強化に有用である可能性が考えられた。レチノイン酸(ATRA)の投与は、扁平上皮への分化を抑制し、バリア機能強化を抑制した。
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