2009 Fiscal Year Annual Research Report
大腸癌スクリーニングへの応用をめざした大腸腺腫症疾患修飾遺伝子の解析
Project/Area Number |
21590815
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松本 主之 Kyushu University, 大学病院, 講師 (10278955)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古賀 秀樹 九州大学, 大学病院, 助教 (00309551)
江崎 幹宏 九州大学, 大学病院, 助教 (50335957)
森山 智彦 九州大学, 大学病院, 助教 (20452758)
中村 昌太郎 九州大学, 大学病院, 助教 (10243932)
清原 裕 九州大学, 医学研究科, 教授 (80161602)
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Keywords | 大腸癌 / 大腸腺腫症 / 単塩基多型解析 / 疾患修飾遺伝子 / スクリーニング |
Research Abstract |
本年度研究計画に従って、自験大腸腺腫症患者の臨床像を検討し、遺伝子解析を開始した.自験大腸腺腫症患者125例中、診断時に大腸癌を伴っていた例は42%であった.また、経過観察中に診断された病変を含めて胃癌が8%、十二指腸癌が2%、小腸癌が2%の発生頻度であった.遺伝子解析の同意を得た79家系APC遺伝子変異陽性率62%であった.単塩基変異の検討対象として、本年度は膜リン脂質からのアラキドン酸遊離における調律酵素であり,腫瘍の増殖に関与する細胞質ホスホリパーゼA_2α(cytosolic phospholipase A_2α;以下cPLA_2α)を解析した.HapMapデータベースに基づいて7ヵ所のcPLA_2α遺伝子のタグSNPを選択し,ダイレクトシークエンス法を用い遺伝子型を決定した.その結果、単SNP解析では,rs3820185のCアレル(オッズ比(OR) 2.5 ; 95%信頼区間(CI) 1.2-4.9)およびrs127446200のGG遺伝子型(OR 10.9 ; 95%CI 1.6-69.8)は,胃底腺ポリポーシス陽性患者において高頻度に見られた.またrs12749354のCアレルは,小腸腺腫と有意な関連を認め(OR 7.0 ; 95%CI 1.5-30.4 ; p=0.008),年齢,性別,APC遺伝子変異を調整したロジスティック回帰分析においても有意であった(OR 7.4 ; 95%CI 1.2-64.2 ; p=0.027).以上より、cPLA_2α遺伝子が小腸腫瘍の疾患修飾遺伝子の一つである可能性が示唆された.
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Research Products
(6 results)