プロテオミクスを用いた自己免疫性肝炎における自己抗体の網羅的解析

2009 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 21590854
• Research Institution: Fukushima Medical University
• Principal Investigator: 大平 弘正 Fukushima Medical University, 医学部, 教授 (90274951)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 横川 順子 公立大学法人福島県立医科大学, 医学部, 助教 (00453019) ; 高橋 敦史 公立大学法人福島県立医科大学, 医学部, 助教 (40404868) ; 阿部 和道 公立大学法人福島県立医科大学, 医学部, 助教 (30468128)
• Keywords: プロテオーム / 臨床 / 免疫学

Research Abstract

本研究は、自己免疫性肝炎(AIH)におけるプロテオミクスの手法を用いた網羅的な自己抗体の対応抗原について検討し、AIHに特異的な自己抗体を発見することを目的とした。本年度は、研究実施計画に則り、抗原蛋白の抽出、二次元電気泳動ならびにWestern blotの準備段階まで施行した。まず、抗原蛋白の抽出においては、過酸化永素負荷が無い状態で培養正常ヒト肝実質細胞(Cryo hNHeps)から細胞膜成分、細胞質成分、核成分を抽出し蛋白抗原とした。抽出抗原を濃縮し(ReadyPrep 2Dクリーンアップキット)二次元電気泳動システムを用いて泳動した。泳動ゲルの確認のため蛋白染色(染色溶液キット)を行い、スポットを確認した。スポットの確認されたゲルは、ニトロセルトース膜に転写し、Western blotを進めている。現時点では、膜への蛋白転写が確認されている。その後、一次抗体として使用する血清は、国際診断基準を満たす典型的なAIH患者でステロイド未治療患者2例および全身性エリテマトーデス患者2名、健常者1例の血清を用いる予定であり、現在、本学倫理委員会に申請予定である。本年度の成果として、ヒト由来の抗原蛋白抽出から二次元電気泳動までの一連の手法が確立されたので、過酸化水素負荷による培養正常ヒト肝実質細胞からの抗原抽出、培養ヒト肝類洞壁細胞からの抗原抽出も併せて現在進めている。なお、当初の実施計画では疾患群のみ陽性の蛋白スポットと同部位のスポットをゲルより切り出し、質量分析を行う予定であったが、二次元電気泳動の習得に時間を要し次年度へ予定が延期された。