2011 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオミクスを用いた自己免疫性肝炎における自己抗体の網羅的解析
Project/Area Number |
21590854
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
大平 弘正 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (90274951)
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Keywords | プロテオソーム / PEPCK / 自己免疫性肝炎 / 原発性胆汁性肝硬変 |
Research Abstract |
本研究は、自己免疫性肝炎(AIH)におけるプロテオミクスの手法を用いた網羅的な自己抗体の対応抗原について検討し、AIHに特異的な自己抗体を発見することを目的とした。前年度の成果において、AIH患者に特異的な自己抗体の対応抗原として、phosphoenolpyruvate carboxykinase (PEPCK)を同定した。さらに、リコンビナントPEPCK蛋白、植物抽出PEPCK蛋白、抗PEPCK抗体を用いて、患者血清がPEPCK蛋白と特異的に反応することが確認された。本年度は、AIH症例数を増やしWestern blot法にてその陽性率や臨床背景との比較をおこなうた。抗原としてリコンビナントPEPCK蛋白が最も安定したデータが得られたため、抗原として用いることとした。Western blotによる検討では、健常人での陽性は認められず、AIHでは30例中10例(33.3%)、Paris診断基準を満たす原発性胆汁性肝硬変(PBC)患者とAIHとのオーバーラップ例16例中7例(43.7%)、PBC30例中2例(6%)とAIHで比較的高頻度で抗体が検出され、特異性が高いことが確認された。ELISA法の検討では、条件設定で課題が見つかり、安定した結果が得られず使用する抗原蛋白、ブロッキング法について現在も調整中である。ElISA法が確立した段階で、多施設での検討も予定したい。さらに今後は、抗PEPCK抗体がAIH患者に特異性が高いことが判明したので、肝組織における免疫組織化学による局在やモデル動物の作成に着手したいと考えている。
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