2011 Fiscal Year Annual Research Report
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21590910
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
代田 浩之 順天堂大学, 医学部, 教授 (40197596)
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Keywords | 急性心筋梗塞 / 血管内超音波 / 冠動脈プラーク / 血管リモデリング / 包括的心臓リハビリテーション |
Research Abstract |
2009年4月から2012年2月まで急性心筋梗塞で冠インターベンションに成功し、血管内超音波(IVUS)が施行できた45例(男性42名女性3名、平均年齢60±6歳)を登録した。そのうち30例に6-8ヵ月後の再造影および本研究のエンドポイントであるIVUSを施行した。その解析結果を示す。 30例のうち17例が包括的疾病管理群であり、13例が通常治療群であった。 両群において、年齢、性別、冠危険因子の保有率、左室駆出率に有意差は認めなかった。入院時と6か月後の危険因子は、両群共にLDL-C値や空腹時血糖値は有意に低下した一方、中性脂肪は包括的疾病管理群でコントロール良好であったのに対し、通常治療群では、有意に上昇していた。 運動耐容能に関しては、両群共にPeak VO_2は有意に改善を認めた(包括的疾病管理群:14.1±2.5ml/kg/minから19.9±4.3ml/kg/min、通常治療群:14.7±3.1ml/kg/minから21.4±4.3ml/kg/min)。 IVUSを再施行できた17例の所見では冠動脈プラーク体積は126.5±76.1から120.8±75.4mm^3に-5.0±11.4%と有意に退縮を示した。血管体積や内腔体積は有意な変化は認めなかった。プラークの退縮率は両群間有意差を認めなかった。冠動脈プラーク体積の変化量は、日常活動度と有意な負の相関を認めた(r=-0.57,p=0.02)。 スタチンを含む積極的内科治療でプラークは陰性リモデリングを伴って退縮することが報告されている。今回通常治療群でも、一日8000歩前後の良好な日常活動度が得られており、運動指導を含めた包括的管理が積極的LDL-Cコントロールに加えてプラークの退縮を起こすことで血管内腔を維持することが示唆された。 今後残りの15例を解析し、最終報告の予定である。
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