2011 Fiscal Year Annual Research Report
サルコイドーシスにおけるカテプシンSの意義に関する研究
Project/Area Number |
21591010
|
Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
山口 悦郎 愛知医科大学, 医学部, 教授 (10201831)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬場 研二 愛知医科大学, 医学部, 教授 (80211499)
|
Keywords | サルコイドーシス / カテプシンS / アンジオテンシン転換酵素 / カテプシンD / LRAP |
Research Abstract |
Transcriptome scanにより選び出した血清カテプシンS(CTSS)濃度の、サルコイドーシスの診断における意義について、今年度はその活性を測定した。用いた測定キットはInnoZyme Cathepsin S Activity Assay Kit(Calibiochem)で、対象は健常者20名、(年齢範囲20-56歳)、サルコイドーシス患者64名(25-74歳)。その結果、酵素活性はこれまで測定した蛋白濃度と概ね有意な相関を示した(r=0.654、p=0.002)。その他の疾患を測定しても結果は同じと考えられたので、未測定である。 一方Transcriptome scanでカテプシンD(CTSD)も高い発現が見られており、その血清濃度も測定した。使用したキットはSensoLyte 520 Cathepsin D Assay Kit(Anaspec)である。しかし血清CTSD濃度は、健常者と比較してサルコイドーシス患者では有意な上昇を認めなかった。したがって肺胞マクロファージでのmRNAの発現が、血清蛋白として反映されない場合もあることが分かった。 以上よりTranscriptome scanで得られた情報を元にした、血清マーカー検索結果として、現在のところCTSS濃度が、疾患特異性は高くはないが疾患によってはACEより高い鑑別能を有する有用なマーカーと言える。しかしTranscriptome scanで発現がもっとも亢進していたLRAP(Leucocyte-derived arginine aminopeptidase)については、そのELISA系が未整備であり、そのマーカーとしての可能性についても今後検討の余地があると考えている。
|