2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21591062
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
角田 隆俊 東海大学, 医学部, 准教授 (50276854)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 礼佳 東海大学, 医学部, 講師 (10372947)
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Keywords | ピリドキサミン / 腹膜透析 / 最終糖化産物 / カルボニル化合物 / メチルグリオキサール |
Research Abstract |
研究目的:腹膜透析療法(CAPD)は、血液透析と比較して、通院回数が少なくて済み、患者の社会復帰が容易な治療法である。しかし、腹膜透析期間が長くなってくると腹膜の変化から、除水機能が低下し、継続が困難となってくる。また、被嚢性腹膜硬化症という腸管が癒着し合って致死的な状態を起こすこともあるため、現状では7年程度で血液透析など他の治療法に変更することが多い。この変化に反応性カルボニル化合物や最終糖化産物(AGEs)が関わることが確認されており、ビタミンB6の一種であるピリドキサミンはこれらを補足消去するなどして減少させることが知られている。ピリドキサミン内服投与によって、カルボニル化合物やAGEsの減少作用や、腹膜変化の緩和作用があるかどうかを確認する。 研究方法:ラットの腹腔内にカルボニル化合物であるメチルグリオキサールを加えた腹膜透析液を繰り返し注入し、腹上膜障害を起こさせる。このラットにピリドキサミン内服投与し、カルボニル化合物、AGEs、腹膜障害の改善の程度を確認する。 研究成果:メチルグリオキサール5mMを加えた腹膜透析液を1日2回投与したが、腹膜障害は強くなかった。カルボニル化合物やAGEsの消去効果も確認できなかった。今回の結果を元に、メチルグリオキサール濃度やピリドキサミン内服の量やタイミングを再考し、条件を変えた実験を計画中である。ヒトにおけるピリドキサミンの安全性確認のため、腹膜透析患者に対する臨床実験も計画している。
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