2012 Fiscal Year Annual Research Report
不均一連発磁気刺激のてんかんに対する臨床応用およびその生理学的検討
Project/Area Number |
21591116
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
榎本 雪 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (80396374)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | てんかん / 磁気刺激 / 体性感覚誘発電位 |
Research Abstract |
(1)ミオクローヌスてんかんに対する経頭蓋磁気刺激の効果を検討するにあたり、予備実験として正常者に対する刺激効果を検討した。QPSの刺激間隔に依存して、感覚野刺激が運動野の興奮性を増大または抑圧的に変化させるという結果であった。この研究成果は論文として発表された。Nakatani-Enomoto S, et al. Bidirectional modulation of sensory cortical excitability by quadripulse transcranial magnetic stimulation (QPS) in humans. Clin Neurophysiol. 2012;123:1415-21 (2)ミオクローヌスてんかんに対する刺激効果については、データは揃っており、学会発表も行われている。ミオクローヌスてんかん患者では、いかなる刺激間隔であっても、増大効果しか認めない。これは、ミオクローヌスてんかん患者の脳機能が、生理学的に正常者と根本的に異なることを示唆している。同時に、正常者に対する効果が、患者にそのまま当てはまることがなく、応用に当たっては注意深い検討が必要であることを示唆している。現在、論文作成中である。 (3)難治性てんかんに対する刺激効果については、概ねデータが出そろってきている。この内容に関する学会発表は過去に行われておらず、平成25年度の発表を目指している。将来的には、論文化する方針である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
正常者に対する影響に関する実験は完了し、国際誌に論文を発表している。 ミオクローンスてんかん患者に対する影響に関する実験は完了し、学会発表も済ませ、現在、国際誌に投稿準備中である。 難治性てんかんに対する影響に関する実験は概ね完了しており、学会発表に向けて準備中である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は一区切りつきつつある。その結果をふまえ、各種神経疾患の正常者との違いを明らかにし、磁気刺激治療応用の可能性を、今後も検討して行く。
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