2010 Fiscal Year Annual Research Report
慢性甲状腺炎に伴う自己免疫性橋本脳症の臨床免疫学的検討
Project/Area Number |
21591171
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
米田 誠 福井大学, 医学部, 准教授 (70270551)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篁 俊成 金沢大学, 医学系, 准教授 (00324111)
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Keywords | 橋本脳症 / 自己抗体 / プロテオミクス / 2D-DIGE / 小脳失調 |
Research Abstract |
慢性甲状腺炎に伴う自己免疫性橋本脳症の症例を国内外より集積し,橋本脳症の診断マーカーである抗NAE抗体,臨床徴候・検査所見・画像情報の収集・解析を行った.本年度は,橋本脳症の中でも小脳失調型に焦点を置き,臨床的特徴を明らかとするとともに,抗NAE抗体を含む患者血清の培養細胞への添加によるプロテオームの変化を検討した. (a) 多数症例の集積:平成22年度は,総数400件(累積総数1100件)の抗NAE抗体の解析を行った.その内で,約1割に小脳失調を主徴とする病型が見出された. (b) 小脳失調型の橋本脳症は,脊髄小脳変性症と類似した臨床像を呈するが,眼振を欠き,脳波の徐波化を伴い,頭部MRIで小脳の萎縮が乏しいという特徴を有することが明らかとなった. (c) 患者血清の培養細胞添加によるプロテオーム変化の解析:ヒト由来培養細胞に抗NAE抗体陽性の小脳失調型橋本脳症血清と対照血清を24時間添加し,それぞれ蛋白質を抽出し,プロテオーム変化を蛍光標識二次元ディファレンス電気泳動(2D-DIGE)法,MALDI-TOF MS法にて解析した.その結果,エネルギー代謝やロイシン代謝に関与する酵素蛋白の一つであるmethylcrotonoyl CoAcarboxylaseの発現に有意な減少が認められた.以上の結果から,小脳失調型の橋本脳症の臨床的特御と病態の一部が解明された.
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Research Products
(4 results)