2010 Fiscal Year Annual Research Report
レプチンを用いた新しいメタボリックシンドローム治療法の開発
Project/Area Number |
21591175
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
海老原 健 京都大学, 医学研究科, 准教授 (70362514)
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Keywords | 脂肪 / 糖尿病 / 脂肪萎縮症 / セイピン / レプチン |
Research Abstract |
メタボリックシンドローム領域におけるレプチンの臨床応用拡大を目指して、以下のマウスを用いた基礎検討を実施した。 (1) 1型糖尿病における有用性の検討:STZを用いてインスリン分泌低下型糖尿病モデルマウスを作製し、レプチン投与を行った。レプチン投与により血糖コントロールの改善に必要なインスリン量を対照群の1/10以下にできることが明らかとな (2) インスリン分泌低下とインスリン抵抗性を併せ持つ2型糖尿病における有用性の検討:低用量のSTZ投与と高脂肪食負荷によりインスリン分泌低下とインスリン抵抗性を併せ持つ2型糖尿病モデルマウスを作製した。このマウスは体脂肪量の増加とともに血中レプチン濃度の上昇も認められたが、レプチン投与により血糖コントロールの改善が認められた。 (3) 高中性脂肪血症モデルマウスを用いた基礎検討:レプチン過剰発現トランスジェニックマウスにイントラリピッドを投与し、中性脂肪をはじめとする脂質成分の代謝を検討したところ、対照マウスと比較し、LPL活性の上昇とともに中性脂肪代謝の亢進が認められた。 (4) 非アルコール性脂肪肝モデルマウスを用いた基礎検討:近交系脂肪肝モデルマウスFatty Liver Shionogi (FLS)マウスに対しレプチン投与を行ったところ、脂肪肝の著明な改善が認められた。この効果はPair-fed群では観察されなかった。 以上より、1型糖尿病、2型糖尿病、高中性脂肪血症および脂肪肝の治療薬としてレプチンが有用である可能性が示された。今後、メタボリックシンドローム領域へのレプチンの臨床応用の拡大が期待される。
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Research Products
(6 results)