2011 Fiscal Year Annual Research Report
レプチンを用いた新しいメタボリックシンドローム治療法の開発
Project/Area Number |
21591175
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
海老原 健 京都大学, 医学研究科, 准教授 (70362514)
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Keywords | 脂肪 / 糖尿病 / 脂肪萎縮症 / セイピン / レプチン |
Research Abstract |
【目的】生活習慣病では肥満が原因で発症しているものも多く、生活習慣病領域におけるさらなるレプチンの臨床応用拡大にはレプチン抵抗性を改善する治療法の開発が重要である。最近、膵β細胞より分泌されるホルモンであるアミリンのレプチ抵抗性改善作用が注目されている。また、近年GLP-1製剤が糖尿病治療薬として我が国でも承認され、膵β細胞への作用のみならず、食欲抑制や体重抑制などの中枢作用が注目されている。そこで本研究ではレプチン治療におけるアミリンおよびGLP-1製剤の併用治療の有用性について検討した。 【方法】高脂肪食負荷マウスに対してレプチン単独、アミリン単独あるいはレプチン+アミリンを肩甲骨間皮下に留置した浸透圧ミニポンプを用いて2週間、持続投与を行い、摂食量、体重の変化と同時に糖脂質代謝についても検討を行った。GLP-1製剤としてexendin-4を用い、高脂肪食負荷マウスに対してレプチン単独、exendin-4単独あるいはレプチン+exendin-4を肩甲骨間皮下に留置した浸透圧ミニポンプを用いて2週間、持続投与を行い同様の検討を行った。 【結果】アミリンのレプチン抵抗性改善作用は、レプチンの摂食抑制作用や体重減少作用に対してだけではなく、レプチンの糖脂質代謝改善作用に対しても存在することが明らかとなった。またexendin-4にも摂食抑制作用や体重減少作用、糖脂質代謝改善作用におけるレプチン抵抗性改善作用あるいはレプチン作用増強作用があることが示された。 【考察】生活習慣病領域におけるレプチンの臨床応用拡大にはレプチン抵抗性の解決が重要であるが、本研究により、レプチンとアミリンあるいはGLP-1製剤との併用治療がレプチン抵抗性のある病態で有用であることが示され、今後、肥満に起因する生活習慣病領域における臨床応用が期待される。
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Research Products
(7 results)